こんにちは。First Stepの中川です!

 

突然ですが、皆さま。青色申告制度はご存知でしょうか?青色申告という言葉ぐらいは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
青色申告とは、きちんと帳簿をつけている人は、そのご褒美として税制面での優遇を受けることができる制度のことをいいます。
今日は知ってるだけでお得♪ 青色申告制度について皆さまにお伝え致します。

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◆青色申告の7つのメリット     

①欠損金の繰越控除
②少額減価償却資産の特例
③雇用促進税制の適用
④所得拡大促進税制の適用
⑤中小企業技術基盤強化税制の適用
⑥中小企業投資促進税制の適用
⑦グリーン投資減税の適用

◆青色申告の届出書の提出期限は?その日を過ぎてしまうと・・・!!

 

青色申告の7つのメリット

①欠損金の繰越控除

法人の決算で赤字が出た場合、その赤字9年間繰り越すことができます。

例えば…

【例1】
前期に200万円の赤字が出たとしましょう。
そしてこの法人が、当期に350万円の黒字になったとします。

◎白色申告の場合◎
前期の赤字はなかったものとみなされ、当期の利益額350万円に課税されます。

◎青色申告の場合◎
前期の赤字が繰り越されるので、350万円-200万円=150万円に課税されることになります。

 【例2】
今度は前期に200万円の赤字が出たとしましょう。
そしてこの法人が当期に150万円の黒字になったとします。

◎白色申告の場合◎
前期の赤字はなかったものとみなされ、当期の利益額150万円に課税されます。

◎青色申告の場合◎
前期の赤字が繰り越されるので、150万円-150万円=0円となり、法人税が課税されません。
残りの赤字額50万円は、来期以降に繰り越すことができます。

※ この欠損金の繰越控除は、平成23年度の改正で7年から9年に延長されました。

税制改正についてはこちらのブログをご覧ください♪

知らんと損する!平成24年に実施される税制改正まとめ

 ※※大法人の場合、繰越欠損金の控除限度額が80%に制限されます。ただし、中小法人等は、控除限度額の100%がそのまま適用されます。
→中小法人等とは、次の法人をいいます。
① 普通法人のうち、資本金の額が1億円以下であるもの(親会社の資本金の額が5億円以上の法人の100%子法人を除く)
② 公益法人等
③ 協同組合等
④人格のない社団等

②少額減価償却資産の特例

青色申告をしている法人が、30万円未満のモノを買ったとき、一度に費用にできます。
・本来は減価償却によって、数年間かけ、費用にします。これについては、中古新品問わず対象になります。
・10万円未満のものについては、一度に費用にできます。

例えば…

期首にパソコンを18万円で購入したとしましょう。当期に費用にできる額として以下のような違いが出てきます。

 少額減価償却制度による即時償却:18万円(全額)
 通常の減価償却18万円×0.5≒9万円

 ※ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

 ③雇用促進税制の適用

青色申告法人が、一定数以上の雇用者を増やした際、増加一人当たり20万円の特別税額控除が認められています。

〈税額控除限度額〉
・増加一人当たりに20万円を乗じた金額
・ただし、その税額控除限度額がその事業年度の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額を超える場合には、その相当額

※この制度は、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度限定です。
※平成25年4月1日~26年3月31日までの期間内に始まる各事業年度は控除額が40万円に拡充されてます。
※適用事業年度開始後2ヵ月以内に管轄のハローワークに雇用促進計画書を提出する必要があります。

なおこの制度の適用を受けるに当たり、以下の4点を全て満たしている必要があります。

① 前期及び当期に事業主都合による離職者がいないこと
②当期末の雇用者の数が、前期末の雇用者の数に比べ、5人以上(中小企業者等については2人以上)及び10%以上増加していること
③給与等支給額が比較給与等支給額以上であること
④風俗営業等を営む事業主でないこと

 雇用促進税制について詳しく知りたい方はコチラのブログをご覧ください♪

 雇用促進税制で節税しよう!雇用促進税制の適用手続き

 

 ④所得拡大促進税制の適用

青色申告法人が、従業員への給与などの支給額を増加させた場合、その支給増加額の10%分を法人税から額控除できます。
平成25年4月1日から平成28年3月31日までに始まる事業年度に適用されます。

〈必要要件〉
①給与等支給額が基準事業年度の給与等支給額と比較して5%以上増加していること
②給与等支給額が前事業年度の給与等支給額を下回らないこと
③平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと
   平均給与等支給額とは、給与等支給額を各月の国内雇用者数の合計で除した額です。

〈1の雇用促進税制とは、選択適用!〉
この制度は、上記③の雇用促進税制との選択適用になります。
雇用促進税制は、制度を適用するしないに関わらず、事前にハローワークに雇用促進計画を提出しておかなければなりませんが、この制度は事前手続きは不要です。

〈控除限度額〉
控除限度額は、法人税額の10%(中小企業者等は20%)までとなります。

⑤中小企業技術基盤強化税制の適用

中小企業者がその事業年度において試験研究費の額がある場合にその一定割合の金額の法人税の特別控除が受けられます。

〈試験研究費の額〉
この制度の対象となる試験研究費の額とは、以下のものをいいます。
① 製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する原材料費、人件費及び経費
② 他の者に試験研究を委託するために支払う費用
   ただし、試験研究に充てるために他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額が試験研究費の額となります。

〈税額控除限度額〉
・その事業年度の損金の額に算入される試験研究費の額に12%を乗じて計算した金額
・中小企業者等税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20%相当額を超える場合は、その20%相当額が限度

平成21年4月1日から平成24年3月31日までの間に開始する各事業年度においては、30%相当額となります。

 詳しい計算方法はコチラをご覧ください。(国税庁HP)

http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5444.htm

 ⑥中小企業投資促進税制の適用

中小企業者等が新しく設備投資を行った場合に、特別償却(30%)又は税額控除(7%)が認められます。

※特別償却制度と税額控除制度があり、どちらか一方のみ選択することができます。
  ・特別償却制度:減価償却費を前倒しで計上できる制度
  ・税額控除制度:資産購入金額の一部を法人税額から控除できる制度

※中古の資産、レンタルの資産は適用されません。

〈適用対象資産〉
この制度の対象となる資産は、以下に揚げる資産で新品の資産です。

(1) 機械及び装置で1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの

(2) 事務処理の能率化、製品の品質管理の向上等に資する次に掲げるいずれかのもので、1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの

  •  測定工具及び検査工具(平成24年4月1日以後に取得等をしたものに限ります。)
  • 電子計算機
  • インターネットに接続されたデジタル複合機
  • 試験又は測定機器(平成24年4月1日以後に取得等をしたものに限ります。)

(3) (2)に準ずるもの(当該事業年度の取得価額の合計額が120万円以上)で次に掲げるいずれかのもの

  • 測定工具及び検査工具(平成24年4月1日以後に取得等をしたものに限ります)※1台又は1基の取得価額が30万円未満であるものを除きます。
  • 電子計算機 ※一括償却資産の損金算入の規定の適用を受けるものは除きます。
  • 試験又は測定機器(平成24年4月1日以後に取得等をしたものに限ります)※1台又は1基の取得価額が30万円未満であるものを除きます。

(4) ソフトウェア(複写して販売するための原本、開発研究用のもの又はサーバー用のオペレーティングシステムのうち一定のものなどは除きます。以下同じ。)で次に掲げるいずれかのもの

  • 一のソフトウェアの取得価額が70万円以上のもの
  • その事業年度において事業の用に供したソフトウェアの取得価額の合計額が70万円以上のもの

※ その事業年度が平成26年4月1日前に開始し、かつ、同日以後に終了する場合には、その事業年度開始の日から平成26年3月31日までの期間において事業の用に供したソフトウェアの取得価額の合計額が70万円以上のものに限ります。

(5) 車両及び運搬具のうち一定の普通自動車で、貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量が3.5トン以上のもの

(6) 内航海運業の用に供される船舶

〈税額控除限度額〉

  • 基準取得価額の7%相当額
  • 税額控除限度額がその事業年度の法人税額の20%相当額を超える場合には、その20%相当額

 ⑦グリーン投資減税の適用

エネルギー起源CO2排出削減又は再生可能エネルギー導入拡大に相当程度の効果が見込れる設備等を取得し、事業の用に供した場合、優遇措置が受けられます。

取得価額×30%の特別償却(早期償却)又は取得価額×7%の税額控除

※ 税額控除は、中小企業者のみの適用です。
※ 太陽光発電設備、風力発電設備については、取得価額×100%の即時償却が可能です。

 

  雇用促進税制、中小企業技術基盤強化税制,中小企業投資促進税制については、コチラの記事で覆面税理士が分かり易く解説しております。併せてご覧いただければと思います。

 覆面税理士による「中小企業に影響を与える平成25年度税制改正」まとめ

 

 

青色申告の届出書の提出期限は?その日を過ぎてしまうと・・・!!

ところで、青色申告の制度の適用を受けるためには、
青色申告の承認申請書を税務署に提出する必要があります。

法人の申請の期限は以下のとおりです。

起業した年:会社設立日から3ヶ月以内                   
2年目以降:青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日まで

これらの期限を過ぎてしまうと、青色申告制度はその事業年度においては適用されません。
青色申告ができなければ、上記のようなメリットを受けることができません!

 

税額控除については、自分から申告しない限りは適用されません。

青色申告のメリットをきちんと享受できているか・節税できているか相談されたい方は中央会計にご連絡下さい

中央会計