給与計算を担当されている経理の方、9月は社会保険料の定時決定の時期です!
社会保険料が変更になる時期ですので給与計算のほうは大丈夫でしょうか?
そこで今回は、社会保険料標準報酬月額の定時決定やいつの支給分の給与から社会保険料を変更させるかなど銭塚が説明させていただきます。
< 目 次 >
- 標準報酬月額とは
- 標準報酬月額の定時決定とは
- 標準報酬月額の定時決定の決定方法
- 標準報酬月額の変更のタイミング
1.標準報酬月額とは
標準報酬月額とは、健康保険料(5万8000円から121万円までの47等級)や厚生年金保険料(9万8000円から62万円までの30等級)の算定の基礎となる報酬のことです。
報酬には賃金・給料・手当・通勤手当など労務の対償として受け取るものすべてが含まれます。通勤手当も含まれるので基本給が同じでも通勤手当で等級が違うということです。
2.標準報酬月額の定時決定とは
事業主は、被保険者の実際の報酬と標準報酬月額に大きな差がでないように4月~6月の報酬月額の届出を行います。(算定基礎届)
この内容にもとづいて毎年1回標準報酬月額を決定しなおします、これを定時決定といいます。
この定時決定を含め、標準報酬月額の決定のタイミングは大別して3つあります。
①資格取得時の決定・・・被保険者資格取得届にて決定(資格取得時から翌年8月まで適用)
②定時決定・・・算定基礎届にて決定(9月から翌年8月まで適用)
③随時改定・・・以下の3つの条件を全て満たしているときは、定時決定を待たずに月額変更届を提出して標準報酬月額を改定します。
- 昇(降)給等の固定的賃金の変動に伴って大幅に変わったとき
- 支払基礎日数が17日以上
- 2等級以上の差が生じている
2.標準報酬月額の定時決定の決定方法
事業主の方は、毎年5月下旬から6月の間に日本年金機構より郵送されてくる算定基礎届等に7月1日現在で使用している全被保険者の3か月間(4~6月)の報酬月額を毎年7月10日までに日本年金機構へ提出します。
毎年、7月1日現在で使用される全被保険者について、同日前3か月間(いずれも支払基礎日数17日以上)に受けた報酬の総額をその期間の総月数で除して得た額を報酬月額として標準報酬月額が決定され日本年金機構より健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書が郵送されてきます。
ということは・・・4月、5月、6月に報酬の総額が増額した場合は、7月から報酬の総額が減額した場合でも9月から翌年8月までの社会保険料は増額した報酬の3か月平均で標準報酬月額が決定してしまうということです。
4.標準報酬月額の変更のタイミング
給与計算を担当されている経理の方は、日本年金機構より郵送で届きます「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」で決定された標準報酬月額の健康保険料・厚生年金保険料を「保険料額表」にて確認して社会保険料個人負担分控除額の変更をします。
定時決定の適用月は9月からですので社会保険料個人負担分控除額の変更のタイミングに注意して給与計算をしてください。
9月分社会保険料控除額の変更のタイミング
当月分給与を当月末日に支給している企業
- 前月分の保険料を当月分給与から控除している企業・・・10月分10月31日支給の給与から
- 当月分の保険料を当月分給与から控除している企業・・・9月分9月30日支給の給与から
前月分給与を当月5日に支給している企業
- 前月分の保険料を当月分給与から控除している企業・・・10月分11月5日支給の給与から
- 前月分の保険料を当月支給の給与から控除している企業・・・9月分10月5日支給の給与から
- 当月分の保険料を当月分給与から控除している企業・・・9月分10月5日支給の給与から
- 当月分の保険料を当月支給の給与から控除している企業・・・8月分9月5日支給の給与から
給与計算をされる場合に社会保険料個人負担分控除額が変更できているか再度チエックを!
社会保険料控除額が変更になることを被保険者の方に伝えることも忘れないでくださいね。
給与計算担当者の方は、算定基礎届の提出から定時決定における社会保険料の控除額の変更の流れを業務スケジュールに組み込んで忘れないようにしておくことをオススメいたします。
算定基礎届の提出・・・7月
定時決定の適用月・・・9月(社会保険料個人負担分控除額の変更)