役員に退職金を支払った場合の税務上の取扱いについて覆面税理士が分かり易くご紹介させていただきます!
・役員退職金の損金参入時期について ・税務調査を徹底省略するためのポイントとは? ・税務調査にあたっての提出書類 |
役員退職金の損金算入時期について
役員に対して退職金を支払うには、株主総会または取締役会で退職金の額を決定する必要があります。
損金算入時期は以下のようになります。
①原則として株主総会の決議によって支給額が確定した日の属する事業年度になります。
②取締役会において退職金の支給額を決議して支給し、その額を実際に支給した日の属する事業年度において損金経理したときは、株主総会の決議前でも損金算入できます。 ただし取締役会で決議した金額を実際には支給せず、未払金に計上した場合は、その額はその期の損金にはなりません。
また、代表取締役が相談役になった、監査役が取締役になった、などの分掌変更の際は未払金に計上することはできないため、注意が必要です。(これポイント)
税務調査を徹底省略するためのポイントとは?
役員退職金の支給のように、大きなお金の移動が生じる場合、税務調査のターゲットとなる可能性はぐっと高まります。
時間も手間も取られる税務調査はなるべく避けて通りたい!!
そのためにはどういったことに注意すればよいかというポイントをご紹介します。
中央会計をはじめとして、一部の税理士事務所では書面添付という制度をとっています。
これは税務署が税務調査の実施を決定した際、事前に顧問税理士に対して意見陳述の機会が設けられるというものです。
意見陳述の際に、 調査官のポイントをとらえた書類を提供し、税理士から適切な説明を行うことにより、税務調査が省略されるケースも多々あります。
では、役員退職金の調査にあたり、どういった書類を準備するべきでしょうか。
税務調査にあたっての提出書類
役員退職金の調査にあたり、調査官がチェックするポイントは以下の2つです。
- 退職金の金額の妥当性
- 退職金の損金計上時期の適切性
以上の二点について、調査官が納得するような書類を提供しすればよいというわけです。
具体的には、以下の書類となります。
- 株主総会の議事録
- 取締役会の議事録
- 役員退職金額の算出方法などを定めた規定
これらは退職金を支給する際には必ず用意しておき、税務調査の申し入れがあった場合にはいつでも税理士に提供できるよう準備をするようにしてください。