今回は、会社設立時に必要な印鑑と、印鑑の役割、印鑑の種類、あとその印鑑作る必要ありますか?という内容でご紹介させていただきます。
何気に押印してる印鑑の法的役割や種類を知って頂ければと思います。
どんな印鑑が必要なん? 目次
- 印鑑の法的役割
- 印鑑の種類
- 印鑑利用上の留意事項
- 会社設立時の印鑑の基礎知識 まとめ
印鑑の法的役割
印鑑の法的役割を説明します。
- 署名または記名押印された書類等はその本人の意思によって作成された書類であると推定されるため、その意思などを確かめる有力な証拠としてみなされます
- 法令上押印により、その意思を確かめるものもあります。官公庁への届出関係のものは法令で押印しなければならないものが多いです
印鑑にも色々な種類がありますが、私たちが普段気軽に使用している三文判と実印では法的役割はどう違うのでしょうか。
実は三文判でも実印と同じ証拠能力を有します。
ただ三文判は複製が容易であり、例えば契約において争いが生じたときにその本人が押印したかどうかを証明する能力としては実印の方が高いということになります。
印鑑の種類
会社で使用する印鑑の主な種類は以下のとおりであり、会社設立時においては法務局へ届け出る「実印」が最低限必要になります。
代表取締役印(いわゆる「実印」)
会社の印鑑で最も重要な印鑑であり、代表取締役印を法務局に届出ることにより、法務局に登録され印鑑証明書が発行されます。
法人は設立登記申請時に実印登録も同時に行いますので、実印として登録する印鑑が必要になります。下記で紹介する銀行印や角印は設立登記時にはなくても会社を作ることができます。
実務で、取引先等から実印での押印と印鑑証明書の添付が求められることもあります。
なお、一般的に実印は外枠に「会社名」を記載し、内枠には「代表取締役印」という文言が入ります。このように作成することにより、もし代表者の交代があった場合でも印鑑を作り直す必要がなくなります。
実印登録できる印鑑には基本的なルールがありますので紹介しておきます。
- 印鑑の大きさが10㎜を越え、30㎜以内の正方形の中におさまるもの。
- 照合に適する物であること
銀行印
銀行で口座を作成する際に必要となります。銀行へ届け出たものが銀行印となります。
設立当初で銀行口座は普通預金しか開設しないよという方は実印と兼用させてもいいと思います。
キャッシュカードがあればATMでも対応できますし、インターネットバンキングを使えば銀行にいかずに残高確認、振込みなどを行うことも可能ですので銀行印の出番は最近は少なくなってきています。
角印
四角の印鑑で会社名が彫られていることが多いです。請求書、領収書、見積書などで主に使われます。
ただ、最近は請求書や領収書に直接印字して出力される企業さまも多く、必要のない方も多くいらっしゃると思います。
ゴム印
契約書などの書類に自筆で書くかわりに使用するための印鑑です。会社の名称、代表者名、住所、電話番号、FAX番号などを自筆するかわりに押印して使用します。
セパレートタイプのものであればいろいろな書類に使いやすいのでおすすめです。
印鑑利用上の留意事項
よく、代表取締役印と銀行印を1本で兼用してしまうと、乱用・悪用されるリスクがあり、代表取締役印と銀行印は分けた方がよいというお話を聞きます。しかし、どちらも重要な印鑑で厳重に管理する必要がありますので、2本を管理するよりも1本を管理する方が手間とリスクを軽減できると思います。
ただ、小切手や手形を利用している場合は、銀行印が必要になりますのでその銀行の印鑑のみ実印と別にして管理してもいいのかなと思います。
会社設立時の印鑑の基礎知識 まとめ
印鑑は一種類(実印)だけで運用することができます。銀行口座を普通預金しか使用しない方は、キャッシュカードやインターネットバンキングの仕様で銀行印を押印する機会というのはほとんどなくなります。
また、角印も請求書や領収書に直接印刷することで対応することも可能です。
ゴム印は、会社住所や会社名、代表取締役の氏名などを手書きすることも多いためにあると便利です。
会社の環境に合わせて必要な印鑑だけをご準備いただくのが無駄がなくていいと思います。
会社を作ったからなんとなく、セットで実印・銀行印・角印・ゴム印を揃えようとは考えないでください!
実務上はケースごとに使用する印鑑があった方が非常に便利です。
しかし、印鑑の種類に関係なく法律上の効力が発生するため、実印でないからといって気軽に押印することはせず、すべての印鑑について管理を行う必要があることに注意してください。