代表取締役 大田 修平
HP http://advan-os.com/
会社名 |
アドバンスト大田株式会社 |
住所 |
〒531-0072 大阪市北区豊崎3-5-10 KENSOビル6階 |
代表者名 |
大田 修平 |
事業内容 |
機構外観設計及びその設計協力支援 経営コンサルタント及び顧問事業 |
人生は2毛作 違う人生を歩むべく起業
デジタルカメラをはじめとした電機機器の外観機構設計や中国での工場技術支援、事業進出支援を行うアドバンスト大田株式会社。代表取締役の大田氏は、大手電機メーカーに30年間勤め、電機機器設計のほか、海外工場・海外設計の立ち上げや部品の現地調達を担当し、51歳で起業した。
「55歳で会社を辞めて、自分なりの生き方をしたいという想いを潜在的に持っていましたが、少し早めの51歳で起業することになりました。近年、若い人が起業し力強さに圧倒されるケースが多いですが、平均寿命が延びて人生は長くなりつつあります。そこで私自身は55歳前後で人生を二つに分け、それぞれ別の生き方(2毛作)をしてみたいと考えていました」
中国や台湾などのヒト・モノを上手に活用することが、日本がグローバル競争に生き残る一つの手段だと語る大田氏。
「日本がなくて中国や台湾にあるのはスピード感と手頃な価格感。すべてを海外に移管して日本を捨てるのとは違います。例えば、お客様の要求を知るために、早く安く作るべき機能モック(概略検討の上に、簡単なデザインと簡単動作を入れたモック)を中国で製作し、機能モックで市場の要求を把握し、その上で緻密な精度が求められる最終デザインモックは日本で製作するべき。各国の得意な部分を上手に使うことが、国際競争時代で生き残る方法だと思います」
日本にしかできない事、日本でやるべき業務、より業務や情報を深化するために、中国や台湾を上手に活用する……それを実現するノウハウをアドバンスト大田は持っている。
「我々は中国に法人を立ち上げ、スタッフ全員がこれまでに築き上げてきた人脈などを活用して、商取引のサポートはもちろん法律面や技術面など、多方面からクライアント企業をサポートする体制を整えています」
Win-WinよりもHappy-Happyの関係を構築する
50歳を超えて起業した大田氏に起業時の想いや迷いについてたずねると、ずっと55歳で起業すると周囲に宣言していたそうだ。
「予定よりも少し早めに起業したのは、人のご縁と巡り合わせから。起業後もターニングポイントではご縁があって誰かが助けてくれました。もちろんFirstStepもその中に入っていますよ」
FirstStepとの出会いは、会社設立準備のために様々なキーワードで検索している時だった。
「オフィスを訪問した際、案内してくれたスタッフの方がとても気持ちの良い対応をしてくれて……。全員がきちんと挨拶をしてくれたのが印象的でお願いすることにしました」
起業後は、50歳前後で起業したいという人の話を聞くことも増えてきたが、色々と想うこともあるという。
「50歳前後で起業を考える人は、考えすぎて退職するタイミングを逸している人が多いですね。たとえ50歳でも、まだ20~30年の時間が残っていると考えれば、若い人と同じ気持ちで第一歩を踏み出せると思いますよ」
ある程度年齢を重ねてからの起業は、若い世代の起業よりも成功する可能性は高いはず、と大田氏。
「シニアで起業する人は若い人と違い、最初からある程度の人脈やビジネスベースを持っているはずですから、それらの武器をどう使っていくかがカギになります。クライアントとはWin-Winの関係がベストですが、当社ではHappy-Happyの関係構築を目指しています。まずは当社のノウハウや知識によってクライアントの価値を最大化する姿勢や結果を見てもらう、という事業スタンスです」
気持ちをつなげて、仕組みを作るのが社長の仕事
大手企業で技術者として働いて来た大田氏。いざ会社を立ち上げてみると、会社経営には想定外の難しさと喜びが存在しているという。
「サラリーマン時代は設計することが仕事でした。海外のことも業界のことも理解しているつもりでした。でも、会社の経営は本当に難しい。起業直後の経営者は、経理や営業などすべての業務に携わることになります。全部100点を取るのは無理な話なのですが、最初は『やらなきゃ』と思っていました。でも経営は色々な人に助けてもらうもので、全部自分で100点を取る必要はないんだと教えられました。経営者の仕事は会社全体のバランスをとること。優秀な人は社長に向いてないかも……私みたいにある程度いい加減じゃないとね(笑)」
現在は3年計画で会社づくりに取り組んでおり、3年目に安定した利益を計上することが会社の目標だ。
「1年目は体制づくりとして、中国オフィスを立ち上げました。おおよそ予定通り、企業の体制は整いました。2年目となる今年度は、経営を安定させるための仕組みづくりに取り掛かっています。そして、3年目から利益を計上していきたい。できれば2年目の後半ぐらいから利益を計上したいですが(笑)」
最後に大田氏ご自身の目標をたずねた。
「私自身も会社も張り合いのある仕事をし続けたい。また、仲間が張り合いを持って働き、お互いがそんな生き方に共感しながらつながっていく、そんな会社でありたいんです。そのために『ひたむきに生きる』という気持ちを忘れずに仕事に取り組んでいきます」
担当者より
大田社長にお会いすると、いつも生き生きと夢を語ってくださいます。取材中、ターニングポイントではいろいろな人が助けてくれたというお話をしてくださいました。きっと夢を語る熱い想いや事業のアイディア、人柄が、周りの人に「何か手伝いたい」と思わせているのだと感じました。
これから大田社長の夢の実現を少しでもお手伝いしていけたらと思います。これからもよろしくお願い致します。(稲見 益輔)