代表取締役 石原 健也
HP http://hit088.co.jp/

会社名 株式会社HIT
住所 〒541-0058 大阪市中央区南久宝寺町2-4-11
電話番号 06-6271-5622
代表者名 石原 健也
設立 2007年9月(先代会社 昭和16年創業)
従業員数 4人
事業内容 帽子を中心とした服飾雑貨の製造卸売販売

帽子のOEM/ODM(国内外)、その他帽子の企画・製造・輸出入業務

事業承継者として自ら手を挙げた

帽子の卸売業を営む株式会社HIT。基本的にはBtoBの取引がメインで、帽子屋はもちろんアパレルショップ、雑貨店、珍しいところでは病院やテーマパーク内の売店なども取引先のひとつだそう。代表取締役の石原健也氏は、祖父が昭和16年に創業した会社を引き継ぎ3代目となる。
「もともとは創業者である祖父のあとをその長男である叔父が継ぎ、三男である私の父も一緒に働いていました。当然子どもの頃に後を継ぐなんて思ってなかった(笑)」

実際に石原氏は大学卒業後、家業とは無関係の広告会社に就職し、広告や広報に関する企画や制作の仕事を担当していた。
「企業経営者の方に広報や広告の企画やアイディアを提案するのですが、自分は『やれば絶対効果がある』と思う提案も、なかなか受け入れてもらえないことも少なくなかった。そんな時、家業なら自分がやりたいようにやって、成果を残せるのではという想いが生まれたんです」

同世代の親戚の中には誰も家業を継ごうと意思表示する人がおらず、自ら手を挙げた石原氏は将来の事業承継者候補として家業を手伝うことに。
「当時、会社の状況はあまり良くありませんでしたが、経費節減や従来の手法をITなどを活用して効率化すれば、立て直せると考えていました。もしそれでもダメなら会社を畳もう……と。今思えばホント甘い考え方ですよね(笑)」

常に『三方良し』を創造する

中央会計との出会いは、会社員時代から参加していた交流会・大阪IT飲み会がきっかけ。代表取締役になる以前から、税務以外のさまざまな相談をしていた。
「家業には昔からお願いしている税理士さんがいたので、中央会計さんにお願いしたいと思いながら、現実的には難しかった。でもある時、担当の方が退社して別事業で起業すると聞き、そのタイミングで中央会計さんにご依頼することにしました」

会社を立て直して成長させるには会計面が重要と考えていた石原氏。それだけに期待も大きかったという。
「依頼してみると、決算対応などのスピード感が凄かった。しかも、会計から一歩踏み込んだ経営面のアドバイスやITを活用した効率化の提案など、『会社を変える』ためのサポートが盛りだくさんでした。期待していましたが、期待以上でしたね」

会社員を辞めて家業の会社を継ぎ、現在は代表取締役として会社の舵取りを行う中で、最も大切にしているのは「人と人との関係性」だという。
「ビジネスはモノや技術、サービスのやりとりですが、その始点と終点には必ず『人』がいます。結局ビジネスは人と人の関係性を結ぶもの。私自身『三方良し』という言葉が好きで、いかに『三方良し』の関係性を創造できるか、それを常に意識しています」

同時に「卸という業態も十分に可能性がある」と石原氏。
「卸売業は消えゆく業態と言われていますし、実は私自身も家業を継ぐまではそう思っていました(笑)。でも今は、我々卸売業の人間が自らの存在意義を賭けて『三方良し』を実現するべくメリットを提供し続ければ、必ず必要とされるし消えないと自信を持って言えます。お客さまの満足は安さがすべてじゃない。時間、サービスなど満足のポイントは多岐に渡る。卸がお客さまのどの部分をサポートするか。それが重要だと思います」

少数精鋭の筋肉質な会社をめざす

ゼロから立ち上げる起業とは異なり、すでに動いている事業を継ぐ難しさ。「起業と承継は同じぐらい大変だと思う」と語る石原氏に、これから起業しようとする人へのアドバイスをうかがった。
「起業前にしっかりと創業資金を貯めておくことでしょうか。起業時に資金調達が必要な事業の場合、銀行は「自己資金額=事業へのやる気」と判断する。しかも自己資金額で計画性も評価する。しっかり準備して、ある程度の自己資金を確保することをおすすめします」

最後に今後の展開について話をうかがった。
「会社をさらに成長させたいという想いはもちろんあり、少数精鋭で売り上げや利益を最大化することをめざします」

また、今まで自分を育ててくれた業界を変えていきたいという想いもある。
「卸売業界やアパレル業界って以外と昔からずっと同じ課題が解決されないまま残っています。自分ができることなど微々たるものですが、仕事やサービスを通じてたったひとつだけでもいいから課題解決の一助となり、本当の『三方良し』を追求していきたいですね」