代表理事 木戸 雄一郎
HP https://www.mitate-nouen.jp/grow-rice-project/
Facebook https://www.facebook.com/Grow-rice-project-1795393163885428/
Instagram https://www.instagram.com/growrice/?hl=ja

会社名 一般社団法人grow rice project
住所 〒534-0027 大阪市都島区中野町4-6-13 プレステージ桜ノ宮102D
代表者名 木戸 雄一郎
設立 2013年8月
事業内容 ①国産高アミロース米の生産・販売
②イベント企画・開催・出店
③店舗経営・プロデュース・ケータリング
④アートディレクション
⑤広告代理業

お米を通じて、都市と地方の架け橋として、食とライフスタイルを次世代につなぎ育てていく

『食』を強みとしたプロモーションやイベント、フードコンサルティング、クリエイティブなどを事業とする一般社団法人grow rice project。代表理事の木戸雄一郎氏によると、木戸氏は事業プロデュース、理事の堀田裕介氏は料理人、残る2名の理事も農家と映像音楽関係に携わるといった、異業種のメンバーが集まって創設された法人だという。設立のきっかけは堀田氏が抱いたある想いからだった。

「滋賀県の農家で米作りを10年以上お手伝いするうちに、日本は食糧自給率が先進国の中でも低く、主食である米づくりも危機的状況だと知りました。農業は私の料理の仕事と密接に関係しています。だからこそ、もっとダイレクトに日本の農家や生産者の応援につながる活動をしたいと考えていました。そんな時に転職を考える木戸さんと出会い、一緒に活動を進めることで、社会に認知された人格ある法人を立ち上げることになったんです」

木戸氏は、大手広告代理店に勤めた経験を持ち『自分の存在を感じることができる生き方とは何か』を模索していた矢先に、堀田氏からgrow rice projectの話を聞いた。
「異業種のメンバーが、ひとつの目的を実現し、法人を立ち上げて加速させていくとする構想に、『新しいチャレンジをするならここだ!』と直感したんです」

grow rice projectでは、堀田氏の食を通じたプロデュースや地域の魅力開発、商品開発の業務を中核にしながら、木戸氏が積み上げてきた広告代理業やイベントプロデュースといったリソースを組み合わせ、法人設立の目的でもある『米農家を応援する!』ための具体策として、高アミロース米の普及促進にまつわる事業を展開している。堀田氏によれば、これが日本の米農家の具体的な解決策の一つになる可能性を秘めているという。
「高アミロース米は、粘りが少なくピラフやリゾット、スパイスカレーなどに向いたお米です。今まで日本では作れないとされていましたが、JAが日本でも栽培できる高アミロース米を開発したのです。今はほぼ輸入に頼っているお米が日本で作れるとなれば、農業の拡大や耕作放棄地の復活につながるのではないかと考えました。お米は料理の仕方や食材を組み合わせることによって、様々な広がりと可能性があります。展開が広がれば、おかゆ屋からカレー屋になっているかも知れないし、さらには日本酒づくりもやっているかもしれない…と。それこそ、grow rice projectでは、高アミロース米の生産から流通、販売、商品開発までを提案し提供していきたいと、未来への具体的な展望を持っています」

異業種のメンバーが集まる起業には、一般社団法人が最適と判断

国産高アミロース米

FirstStepは、理事のひとりからの紹介で推薦したことで出逢いが広がり、事業設立から法人運営のコンサルまで、幅広くサポートしてくれたという。
「個々の業務に取り組み、プロジェクトごとに集まって実施するのであれば、法人化は必要なくユニットで十分でした。ですが、社会的な責任や実績として認知されることを考えた時、個人事業主よりも法人の方が絶対にチャンスが大きいのは間違いないと考えていました」

木戸氏も法人化を選択する意義を認識していた。
「社会へ貢献する活動を事業の柱としていることや、異業種のメンバーがひとつの法人に集まるのなら一般社団法人が最適だと判断しました。それに公共団体や大手企業などからのご依頼に対応する時、法人格の方が良い場合もありますので」

農業の未来を変えるプロセスを事業化し、永続的に推進していくことをめざす木戸氏と堀田氏。仕事に取り組む上で大切にしていることを尋ねると、「次の世代の主役となる才能を持つ若者や、魅力ある商品や技術が日の目を見る機会をつくるきっかけになりたい」と木戸氏。
「そうした機会を作るには、まず私自身を必要としてもらうことが重要。その上で、ジャンルの異なる才能や技術を持つ人々と魅力的な商品を掛け合わせるといった、プロデューサー職でやってきた自分にしかできない提案で機会を創出していきたいです」

堀田氏は「常に若い人たちを尊敬することを大切にしています」と。
「若い人たちの思考や行動を尊敬し、決して邪魔しないように意識しています。私の目標は『仕事で面白い人に出会うこと』。その実現には若い人の力を借りながら、面白いことを発信し続けなければなりません。そのためにも、若い人との心の距離をなるべく近くするように心掛け、自分の感性が老いてしまわないよう意識しています」

『食』をキーワードに、国や既成概念を越えた挑戦を続けたい

中華粥

さまざまな企業とコラボレーションしながら、農家の応援と高アミロース米の普及に取り組むgrow rice projectの二人に、これから起業しようとする人へのアドバイスをお願いすると、二人揃って「とにかく行動すること。起業するか迷っているなら、今すぐした方が良い」と。さらに「起業前に迷っていても何も解決しません。その迷いの答えは、起業しないとわからないことがほとんどですから」と堀田氏。
最後に、今後の目標についてうかがった。木戸氏はクリエイティブをうまく活用した広報活動で、農家の応援と高アミロース米の普及促進をめざす。
「国産の高アミロース米はまだ認知度が低く、なかなか良さが伝わりにくい。そこで、堀田さんの『eatbeat!』のようなクリエイティブやアート、エンタメ、映像や音楽などを融合させたコンテンツを使って発信することで、大きな波を生み出したいですね」

堀田氏は、高アミロース米の栽培をビジネスベースに乗せることで、息の長い活動にすることをめざす。
「高アミロース米を栽培する米農家を増やす一助となりたいです。将来的には、栽培指導や契約農家の高アミロース米の買取や販売委託、さらには高アミロース米を知ってもらうための広報や宣伝もサポートしていきたい。そうすることで、最終的には日本の米自給率を上げ、米農家を応援する!とした活動の本質につながることをめざします」

加えて直営の飲食店も新たに展開していく。
「豊中市で中華粥の店をオープンさせます。誰もやったことがないことにトライする実験的な店舗にするつもりです。まずはターゲットを地元の高齢者の方々に設定し、朝型スタイルで営業する予定です。他にも香港での飲食店プロデュースなど、『食』をキーワードに国や既成概念を越えたさまざまなチャレンジをしていきます」

担当者より

grow rice projectの活動は、これからの日本の農業のあり方を担う、非常に社会的意義があるものです。会計や税務面からのサポートで、活動に少しでも貢献できていることを嬉しく感じています。実績豊富な皆さんであっても、日本の農業の抱える課題に挑むのは難しいことかもしれませんが、間近で日夜仕事に打ち込む姿を拝見し、熱い想いやビジョンを聞くにつれ、今ではgrow rice projectが日本に大きなムーブメントを巻き起こす存在になる!と確信しています。
grow rice projectの活動や理念がたくさんの人に伝わるよう、微力ながらサポートを続けてまいります。(大久保 香織)