ネット販売業で起業

起業時は99％不安しかなかった

いわゆる『せどり』と呼ばれる手法で、フィギュア、DVD、CDなどのネット通販事業に取り組む株式会社マウロア。現在は自社の通販事業に加えて、ネット通販で自らの力で稼ぎたいと考えている人をサポートする事業にも力を入れている。代表取締役の宮軒直子氏によると、自身の古着をネットオークションで売り始めたのが事業を始めたきっかけだという。
「当時は会社勤めで営業の仕事をしていて、ずっとスーツ姿でした。新しいスーツを定期的に買う必要があるのですが、当時は今のように、格安スーツなど存在しない時代。古いスーツや私服を古着としてオークションで売り、それを新しいスーツの購入費用の一部にしていました」
しかし、自分の洋服だけでは売るものが枯渇するまでに時間は掛からなかった。しかも、病気で会社を退職せざるを得なくなったことで、この事業に本気で取り組む決心がついた。
「売る古着がなくなった時期はちょうどAmazonでの個人販売が流行し始めた頃で、とにかく仕入れ値よりも高い値段で販売できる商品を探して見つけたのがCDやDVDでした。さらにフィギュアの仕入れ先の方にも出会え、現在はこの3商材を中心にネット通販事業に取り組んでいます」

「最初は99％不安しかなかった」と語る宮軒氏だが、自身の事業が軌道に乗ると、次は自らの手で稼ぐ力を身につけたいという人をサポートするように。
「情報の共有やアドバイスはもちろん、ツールをエンジニアと共同開発して提供したり。私の事業はやる気とやり方さえ手に入れれば、誰でも稼ぐ力を身につけられます。このビジネスを通じて、ひとりでも多くの人に『自由』を手に入れて欲しいと願って取り組んでいます」

中央会計に依頼して月額費用が半分以下に！

売上が安定し、税金面などを考慮して法人化を決めた。以来ずっと、中央会計とは別の税理士事務所に税務を依頼していたという。
「当社の事業は物販の仕入れがあるので伝票がとても多い。そのせいか税理士に支払う費用がとても高かったんです。その費用感にどうしても納得できなくて、有名アフィリエイターの方に相談したところ、『当社はここにお願いしているよ』とご紹介いただいたのが中央会計だったんです」

連絡を取って話を聞いたところ、費用が半分以下になると知ってほぼ即決だった。
「実際にお願いしてみると、全然問題なくてむしろ前より良いんです。すべてのやり取りをチャットワークで行う分レスポンスも早いですし、質問に対する回答も的確で。特に当社の方針に合わせた節税や資金面の提案はとても助かっています。今サポートしている皆さんにも、法人化をめざす方にはご紹介しています。そのぐらい信頼できる税理士事務所です」

ネット通販でビジネスを展開する宮軒氏に、ビジネスに取り組む上で大切にしていることを尋ねた。
「ネット通販というビジネスは、お客様は顔が見えない相手を信頼して代金を支払ってくれています。その信頼に応えるべく、最後まで責任を果たさなければなりません。顔が見えないからこそ、信用を裏切ってはいけないし、たとえ赤字でも必ず約束した商品はお届けする。一つひとつの責任をしっかりと全うすることを常に大切にしています」

ネットを通じて海外販売を広げていきたい

起業をサポートする業務も行う宮軒氏に、これから起業する人へのアドバイスをお願いした。
「私は起業したい人のサポートもしていて、そこでいつも伝えるのは『物販は自分の好き嫌いで商品を決めたら失敗する』ということ。好きなものではなく、お客様が欲しいものを届けなければいけないんです。自分が好きかどうかよりも、この商品が好きなお客さまに届けるという『歩み寄る意識』が大切だと思いますよ」

物販という誰でもできるビジネスからこそ、丁寧さや誠実さが差別化ポイントになる、とも。
「どんな魅力的な商品を仕入れても、最後は人間力やコミュニケーション力が売上を左右します。あとは『継続できるかどうか』ですね。とにかく色々なことが起こりますから、これも高いハードルかもしれません」

最後に今後の展開について話をうかがった。
「海外向けネット販売を広げていきたい。日本のアニメーションはほぼリアルタイムで放映されているものも少なくありませんし、フィギュアをはじめとする関連グッズのニーズも高い。何より世界中の人と取引できるのが楽しいんです」

海外ビジネスの面白さは、意外な商品が売れる面白さと素直に喜びを伝えてくれるところだという。
「日本であまり人気のない商品が売れることもあります。買った商品を手に写真を送ったりしてくれるのは海外販売ならではの楽しみかもしれません。本当に売り手冥利に尽きますし、やりがいも感じています」