不動産仲介業で起業　藤井 美佳穂氏

理想である『面』の関係を目指して起業

土地や一戸建て、中古マンションなどの売買を中心とした不動産業を営む株式会社アイニーの代表取締役・藤井美佳穂氏。不動産業との関わりは、起業前の仕事のクライアントが住宅関連企業だったことにさかのぼる。
「仕事で住宅に携わるうちに家の構造などに興味が出てきたんです。そして不動産会社が次の転職先となり働くうちに、不動産の奥深さを知りました。すると、やりたいことがたくさん頭の中に浮かんできて。でも同時に、頭の中に浮かんだ『理想』を実現するには、会社員という立場では難しいことも知りました」

結果的に起業してまで追い求めることになった『理想』について尋ねると、まだまだ実現途上なんです、という前置きの後、語ってくれた。
「家の売買は、人生において大きなライフイベントですが、不動産屋にとっては多くのお客様の中のひとりという位置づけで、どうしても事務的になりがちです。私はもっとお客様一人ひとりを大切にしながら仕事を進めたくて。また、売買後も丁寧なフォローを継続することで、お客様の人生に寄り添うようなお付き合いをしたいと考えていました。お客様との関係を『点』から『線』へ『線』 から『面』への関係にしていきたいと考えたんです」

不動産に関わる仕事の奥深さを知るほどに、藤井氏の胸の内にはそんな想いが充満していった。そんな時、同じ想いを抱く2人と出会い起業した。

まずは相手を信じることからスタートする

「私以外のスタッフは不動産業界の経験も豊富でとても頼りになります」と藤井氏。相手のことを考えて動くなど、常に先を読み優しさを感じさせるアクションにはお客様の信頼も厚い。また、各スタッフが多様な資格を取得し、お客様へのサービスに活用している。
「二級建築士や福祉住環境コーディネーター、住宅メンテナンス診断士などの資格を取得しており、これらの資格を活用したアドバイスサービスをご提供しております。『末永いお付き合い』を目指す上で、これらのサービスは強みになると思います」

こうした想いや取り組みにより、多くのアイニーのお客様が、紹介をはじめとしたクチコミによって増えている。実は、FirstStepとの出会いも取引先であるクライアントからのクチコミによる紹介だった。
「FirstStepには経理面以外も相談させていただいていますし、本当に信頼しています」

藤井氏はビジネスを進める上で『信頼関係』を最も大切にしている。なぜ信頼関係を重視し、どのようにして良好な信頼関係を構築していくのだろうか。
「不動産のお仕事で最も重要なのが、お客様のニーズを理解することなんです。そのためには、まず相手であるお客様を信じること。さらに、不動産に関わることも関わらないことも、嘘をつかずに正直であり続けること。この2つを守ることがお客様との信頼関係構築にも通じている気がします」

「まずやってみる！」の精神で、海外進出！

「お客様にアイニーで『家を買って良かった』『家を売って良かった』と言っていただくことが最高の喜び」と語る藤井氏に、これから起業しようとする人にアドバイスをお願いすると、笑顔で次のように答えてくれた。
「私は、相手に『してもらおう』ではなく『してあげよう』という発想を持つこと。人間関係が第一ですから、互いに助け合えるような人脈が価値があると考えます。やってみると不可能なこともありますが、その時にできる最大限の努力を積み重ねていく。そうすれば誰かがサポートしてくれます。今の私があるのは周囲の人たちのサポートのおかげですから」

現在は本格的な海外進出を準備中だという。
「起業以来ご縁があって、中国に続く日本企業の新たな海外進出先として脚光を浴びるベトナム進出の準備を進めてきました。本格的な海外進出の第一弾として、ダナン地区にある450区画の物件について仲介事業を行います。この事業はベトナムに進出する日本企業の海外赴任者用住居や投資物件として、日本人向けに販売を行っていきます。現地でサポートしてくれるスタッフとの信頼関係も構築できていますし、人と人の繋がりを大切にしながら進めていきます。今後はベトナムを中心に海外の不動産取引にも積極的に取り組んでいきたいですね」