英語学習スクールで起業

“子どもたちのためになる”教育を実践するべく起業

ロジカルインタラクション合同会社は、小学生から高校生までの子どもたちが英語を学べる英語学習スクールを運営している。代表の奥野保代氏は、子ども向け英会話学校などを中心に、20年以上のキャリアを持つ英語教育のプロだ。特徴は、生徒一人ひとりに個別のカリキュラムが組まれ、中学2年生までは4人以下、中学3年生以上になると完全マンツーマンとなる授業システム。
「20年以上英語教育に携わってきた中で『こうすれば、もっと子どもたちのためになる』と思うことが少なからずありました。いろいろなタイミングが重なって『自分で会社を作って、理想とする方法で子どもたちに学んでもらいたい』と起業を決意しました」

事業をやる時は法人化すると決めていた奥野氏。FirstStepはインターネットで見つけたという。
「オフィスを訪問すると、担当の若い女性が法人企業のメリットとデメリットをきちんと説明してくれた上で、私に『まずはやってみましょう！』と言ってくれたんです。その一言に、私自身の今やるしかないという想いを理解した上で背中を押してくれている、と感じてお願いすることにしました。女性同士の感性が一致した瞬間でしょうか（笑）」

英語を好きになってもらうことが一番の目標

マンツーマンや4人までの少人数授業、生徒一人ひとりへの個別カリキュラム、英語の「聞く」「読む」「書く」「話す」のすべてを授業に取り入れるなど、ロジカルインタラクションの英語教育は独創的。奥野氏は教育心理学を学んだ経験も生かしながら、特徴ある英語教育を実践している。
「英語を教えるについては、子どもたちの性格や学びの状況、目標などによって教え方やスピードを変えるなど、きめ細やかに対応しています。なぜなら教育は、子どもたちの人生に大きく関わるものですから、一人ひとりとしっかりと向き合わなければならないと考えるからです」

また、成績向上が最も目に見える成果となるが、成績だけに目を奪われていてはいけない、と奥野氏。
「私が目指す一番の目標は、子どもたちに英語を好きになってもらうことです。まず最初に子どもたちの夢や目標を聞いて、その夢や目標を実現するために学ぶという意識を育みます。するとやる気が出てきて英語が好きになる。そうなると、自然に英語が必要な夢や目標が生まれてくるんです。そんな子どもたちの変化が一番の喜びですね」

理想の教育を実践するべく邁進する奥野氏も、集客や経営面ではまだまだ試行錯誤を重ねている段階だという。
「一度授業を受けてもらえば、成果を出す自信は100％ありますが、その一回目の授業を受けてもらうまでが大変です。集客は主に折り込みチラシを使いますが、毎回結果に一喜一憂していますね（笑）」

理想と現実のギャップにヘコまない！

経営者として、教えること以外にも目を配る奥野氏が、これから起業する人に伝えたいことをたずねた。
「実際に起業すると、起業前の想定や予測通りにはいかないということですね。理想と現実のギャップと言うか……わかっているつもりでも結構ヘコみます。大切なのは、いかにそのギャップを受け入れて、コツコツと前に進むか。着実に前に進めば必ず道は開けます」

昨年は、生徒たちが英語でスピーチする発表会を開催し、大盛況だったという。
「実はこの発表会は、起業前からやりたかったことのひとつでした。会場手配など大変でしたが、多くの親御さんや子どもたちが喜んでくれた上に、この発表会をきっかけに入塾希望者が集まったんです。地道にコツコツやることが大切だと実感しました」

最後にこれから取り組みたいことについてお話をうかがった。
「実は、自社のオリジナル教材づくりに取り組んでいます。目指すのは、年齢や理解度、進度が異なる子どもたちが、同時に勉強できる授業環境を生み出す教材。大人数が一度に学ぶ空間でも、一人ひとりの子どもたちが自分のレベルにあった学びができる授業を展開できるようになります。早く完成させたいですね」