代表取締役 相良 大介

会社名 株式会社コマアート
住所 〒559-0011 大阪市住之江区北加賀屋3-2-18
電話番号 06-6686-2821
代表者名 相良 大介
設立 2011年7月
従業員数 4人
事業内容 撮影用セット、美術、展示&店舗什器の制作・施工。

「なんとかなる」とお客様を引き継いで起業

インテリア関連の見本帳やカタログ撮影などに用いる『セット』と呼ばれる背景美術を作る株式会社コマアート。代表取締役の相良大介氏によると、家を丸ごと1軒建てるような大規模なものから小さな小道具まで、制作物は多種多様だという。起業前も同業種の会社に勤めていたが、起業のきっかけは突然やってきた。
「当時働いていたのは社員15人ほどの会社でしたが、事情があって突然会社を閉めるということになったんです。私自身はいずれ自分で何かやってみたいと考えていましたが、本当に漠然としたものでした。会社がなくなると聞いた時も、最初は全然違う職種の仕事に就こうかな、なんて考えていましたからね(笑)」

しかしながら、自分でやってみたいという思いが強まり、会社の先輩2人に声をかけて、事務所と工房の物件を探しながら資金調達にも奔走し、起業準備を進めていった。
「CGが台頭する中で業界は縮小傾向。でも、今までやってきた事をベースにしてにして、新たなチャレンジをすれば、可能性を広げる事はできる、と考えたんです」

一時は違う仕事に就こう、と考えていた相良氏の考えを変えさせた要因、それは自分で何かをやってみたいという想いだった。
「起業したくても、実際に踏み出せる人はほんのひと握り。ついてきてくれるスタッフがいて、クライアントも見込める状態で起業できるのはラッキーで、これはチャンスじゃないか、と考えたら『なんとかなる、今しかない』って」

起業は自己成長を「見える化」する

起業を決意した相良氏。法人化したのは、引き継いだクライアント企業の取引条件に、法人化が条件とされていたためだった。
「創業時すぐには法人化しようとは思っていなかったので、急きょ知人に手伝ってもらえる会社を紹介してもらいました。それがFirstStepだったんです。時間の無い中、きちんと対応していただけました」

FirstStepを活用して無事に法人化を完了した相良氏だが、すべてがスムーズだったわけではない。
「ありがたい話ですが、引き継いだお客様のお仕事に対応する為に、工場と別に倉庫を借りたり設備を増やしたりと、資金繰りも大変でした。起業直後はお金が減るスピードが早くて困りました(笑)」

それでも起業して会社を経営するのは面白い、と相良氏。
「やった事がダイレクトに返ってくるので、面白いですね。ツライ時もありますが。また、起業前に比べていくらか自己成長できたと思いますし、ものの見方がだいぶ変わったと思います。今は会社が前向きに進むこと、成長していくことが大前提ですが、少しずつ社員が気持ちよく働ける職場環境を作ることも意識しています」

最近は、好きなものづくりを我慢して、経理や経営に掛ける時間を増やしている。
「現場は社員に任せるよう意識しています。なぜなら、経営者である自分がやるべきこと、例えば制作物の価値を高めたり、伝えることの方が楽しくなってきたんですよ」

幸運は苦難を乗り越えた向こうにある

経営の難しさや楽しさを実感しはじめたと語る相良氏に、起業を成功させる秘訣についてたずねた。
「私の場合は思い立って、ほぼ1カ月くらいですべてを決めないといけませんでした。本当なら起業はキチンと計画を練り、周到な準備が必要だと思います。でも、実際に踏み出すのを躊躇するうちに気持ちが萎えるぐらいなら、『やろう!』という気持ちが新鮮なうちに踏み出すのも一つの形なんじゃないでしょうか。その気持ちが持続する限り、しんどいことも乗り越えられると思います」

大切なのは“まずやってみる”ことだ、と相良氏。
「能力ではじゃなく『やるか、やらないか』だけです。その中でも、あとでやって良かったという仕事ほど、最初はキツそうな顔をして近づいて来ます。見た目やイメージで判断せず、まずはやってみる姿勢が重要です」

最後に今後の目標についてお話をおうかがいした。
「会社としては、5年後ぐらいをメドに今の事業とは別の新たな事業の柱を立てていきたい。どんな事業かについては思案中ですが……。また、仕事場はかなり長い時間を過ごす場所ですから、私自身や社員全員が成長できる環境を備えた会社になることを目指していきたいですね」

担当者より

相良社長はどんな時でも明るくお話してくださるので、お会いする度に元気をいただいております。
また、過去に行ったサービスのお話をお聞きする時は、とても楽しそうにお話をしてくださって、本当に今のお仕事を好きであることが伝わってきます。
これからも相良社長が思い描く目標を実現するために、お手伝いさせていただきたいと思っております。(中谷 洸太