出張タイヤ交換サービスで起業

経営者にもドライバーにも嬉しい出張交換サービス

トラックやバスといった大型業務車両の出張タイヤ交換サービスなどを行う株式会社24システムタイヤサービス。同社の事業である出張タイヤ交換サービスという聞き慣れないビジネスについて、代表取締役の田中宏侑氏におうかがいした。
「従来、業務用車両のタイヤ交換は、ドライバーがタイヤ交換工場まで運転し、交換後に再び運転して自社まで戻るのが通常です。しかしながら当社では、お客様のもとに出向いて会社内に車が止まっている間にタイヤ交換を行います。これが最大の特長です」

実は、お客様のもとに出張してタイヤ交換を行うサービスは、ドライバーと経営者の両方にメリットがある。
「ドライバーはタイヤ交換工場まで運転する必要がなく、タイヤ交換待ちの無駄な時間もありません。経営者にとっては、タイヤ交換工場までの燃料費が節約できますから、出張料無料の当社サービスなら、タイヤ交換代が同じでも大きな経費節減になるのです」

実は出張サービスについて、田中氏は前職のタイヤ交換工場に勤務している当時から、高いニーズを感じていた。だが、単にお客様の所へ出向けば良いというわけではないのだそうだ。
「タイヤ交換1件ごとに、お客様のもとと自社を往復していては利益は出ない。複数のご依頼を組み合わせて効率的なルートを組む必要があります。この仕事は事前の段取りと突発的な事態に対応するノウハウが必要。結果的に、豊富な経験に基づいたノウハウとスタッフのモチベーションが高くないとうまくいきません」

感謝の気持ちが人の縁をつなげる

では、田中氏はどのようにしてスタッフのモチベーションを高めるのかおうかがいした。
「有言実行がすべて。『当社で働いて良かった』と感じてもらうことを目指すとスタッフ全員に伝え、実際に利益が出ればスタッフに最大限還元します。それを実感し、信じてくれているんじゃないでしょうか」

もっともっと多くの人に喜んでもらいたいと語る田中氏に、これから起業しようとする人へのアドバイスをおうかがいした。
「常に感謝する気持ちを持つことですね。たとえ買う側であっても『売っていただいている』という気持ちを持って常に感謝です。そうすれば相手も感謝してくれます。それを続けているうちに、2年で400社以上のお取引先様ができました。そのほぼすべてが、お客様からの『口コミ』によるもの。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

人のご縁を広げるには、出過ぎたぐらいの気配り、心配りが必要だと語る田中氏。お客様に自社のお客様を紹介する機会も多いという。
「人の縁はどこにあるか分からないもの。そして、その縁を育てれば、また新しい人の縁が生まれてくる。すべての縁は繋がっていますからね」

社長が一番偉いワケじゃない

田中氏に企業経営で何を大切にしているか尋ねると「偉そうにしないこと！」と、ひと言。その真意を聞いて納得した。
「社長は一番偉いワケじゃない。現場では現場のスタッフが一番偉いし、経理では経理担当者が一番偉い。社長は、彼らの上に立つんじゃなくて、皆が気持ちよく働ける環境を作り、最終判断をする役目なだけ。だから偉くない（笑）」

FirstStepのスタッフとは、フラットに近い関係が築けているのが気に入っている。
「我々と担当者との距離感が近くていい。すぐに連絡が繋がるし、なにより対応力とスピード感が素晴らしいですね」

今後の目標についておうかがいすると、『FC展開』と『海外展開』という大きな二つの目標を持っている。
「FC展開は、より多くの地域で高品質な出張タイヤ交換サービスを提供し、お客様に喜んでいただきたいという想いがあります。海外展開は、新しいことに挑戦し成功させたいという想いがあります。外国でタイヤ交換したいと考えるのは、日本中探しても私ぐらいじゃないですか（笑）」

最後に未来の目標について尋ねると、「この会社を経営していないのが理想」という言葉が。
「既存事業は人に任せて、運送会社の役に立つ事業を数多く立ち上げたい。最終的には『何か困ったら田中に聞け！』と言われるような、器の大きな人間になりたいですね」