代表取締役 菊川 篤男

会社名 株式会社アルファテクノ
住所 大阪市此花区
代表者名 菊川 篤男
設立 2012年10月
従業員数 2人
事業内容 非開削工事を中心とした土木工事業

周囲からすすめられ、独立起業を決意

都心部などでよく見かける水道、下水、電気などの配管を幹線道路の地下に埋設する工事。こうした地下土木工事を地面を掘り返さない『非開削工事』で実施する技術を持つ株式会社アルファテクノ。代表取締役の菊川篤男氏によると、都心部での地下土木工事に活躍する工法だという。
「マンホール下の縦管から別のマンホール下の縦管へなど、地中を横に掘り進むのが非開削工事。要は地下で電車のトンネルのようなものを作る仕事です。一般的な土木工事よりも高い技術を必要としますが、道路を規制するポイントが少なくできるため、地上の建物が多かったり、道路規制が深刻な渋滞を生む都心部では重宝される工法なんですよ」

菊川氏は20歳代の頃に多種多様の職種に就き、多くの仕事を経験した。そして、30歳での仕事が土木工事の施工だった。
「実は30歳で就いた仕事を天職にしようと決めていました。また、35歳の時に一度独立準備をしたのですが、人脈、経験、知識のどれも不足していると実感して諦めた経験もあります」

その後は施工管理の会社に転職。施工と管理の両方ができるスタッフとして、取引先から絶大な信頼を得るようになる。
「次第に、私を指名して仕事を依頼してくださるお客さまが増えてきました。さらには、取引先の方々から独立を勧められるようになったんです。しばらく考え、結果的に独立を決意することになりました」

常に最悪のシナリオから逆算して『今やる』

周囲から勧められる形で独立起業を決意した菊川氏。そうした経緯もあって、独立起業する前に仕事が舞い込みはじめた。
「受注するには法人が必要なため、とにかく急いで立ち上げる必要がありました。そこで、インターネットで調べて設立に必要な金額、設立に要する時間、自社までの距離などを比較検討した上で電話連絡をしました。その中で最も対応が良かったFirstStepさんを最初に訪問したんです。その時、とても丁寧かつ親切に説明してくれたのでお願いすることに決めました」

設立後の対応についても満足している。
「各プロジェクトごとの収支は自分で確認していますが、異なる視点で会社の状況を見て、新たな気づきを提供してくれる。良きアドバイザーといった感じですね」

FirstStepスタッフとしっかりとコミュニケーションを取る菊川氏が、ビジネスを進めていく上で最も大切にしているのは『信頼』だという。
「クライアントは、今回仕事を依頼してくださっても、次回は依頼してもらえないかもしれない。そんな中、次回の依頼への架け橋となるのが『信頼関係』です。ただ、これほど築くのが大変で、簡単に壊れるものはありません。良好な『信頼関係』を維持するには、初心を忘れないことと、常に謙虚であること。また『今できることは今やる』というスピード感も大切な要素です」

『今できることを今やる』ことを重視するのは、常に最悪のシナリオを頭の中に入れているから。
「予定というものは大抵イレギュラーするもの。できる時に取り組んで、常にイレギュラーに備える姿勢が重要なんです」

ベースがあれば起業は成功し、自然に成長する

土木の仕事をはじめ、多くの仕事を経験してきた菊川氏に、これから起業しようとする人へアドバイスをお願いした。
「起業というものは、勢いだけでは成功しないと思っています。ベースとなる部分が重要で、時間を掛けて構築するべきものだと思います。自分自身の技術的なベース、収益のベース、人材的なベース、こうした多くのベースが固まっていれば、成功の確率は高まります。さらに、ベースの部分をしっかり固めてから起業すれば、会社は自然に成長していくでしょうね」

最後に今後の展開についてお話をうかがった。
「最大の目標は後継者を育成し、会社経営をバトンタッチすること。そのために、社名に自分の名前を入れませんでした。私が死んでも会社は継続し続けることが目標です。それを実現するために目指すのは、一人ひとりが職人技術を備え、少数精鋭でありながらも基礎体力を備えた会社になること。技術を継承し、強い会社になりたいですね」

担当者より

菊川社長は、一見「勢いのある大阪のおっちゃん」ですが、実際にお話してみると、PCに詳しかったり、かなり細かいエクセル計算式を組んで原価管理をされていたりと、色々なギャップが見えてきます。
インタビューを受けていただいた時が、ちょうど会社設立してから3年半。会社の規模(年商や従業員数)は、設立時からほとんど変わっていません。それでも、期が進むにつれて業績を上げているのは、設立当初から常に慎重で、常に先の事を考えて行動されてきた結果が表れているのだと思います。
そんなアルファテクノ様を、これからも微力ながらサポートさせていただければ幸いです。(合田 美樹