代表取締役 宇宿(うすき) 貴彦
HP http://www.kaitorigakki.com/
Twitter https://twitter.com/marucart

会社名 株式会社WushboneMusic
住所 〒544-0001 大阪市生野区新今里4-6-12
電話番号 0800-888-1333
代表者名 宇宿 貴彦
事業内容 弦楽器、鍵盤楽器、打楽器、管楽器などの楽器の買取及び販売

突然の閉店からEC事業を引き継ぎ起業

中古楽器の買取と販売を行う株式会社WushboneMusic(ウッシュボーンミュージック)。買取と販売のどちらも、お客さまは一般の方からリサイクルショップ、楽器店などさまざまだ。代表取締役の宇宿貴彦氏は、楽器好きが高じてギタークラフトの専門学校でギター作りについて学び、楽器店で働いていた。
「最初はギター作りの職人になりたかったのですが、楽器店でお客さまの楽器の調整や改造のアドバイス担当となり、発注者という立場で憧れの職人の方々とお付き合いするようになりました。お付き合いするうちに『自分は職人には向いてないな』と思うようになったんです」

それは職人たちのこだわりや奥深さを実感したから。
「ヤスリ掛けひとつとっても、一往復か一往復半かにこだわるのが職人の世界。そんな世界を知るうちに、自分にはお客さまの悩みや希望をおうかがいし、最適な楽器や方法をご提案する接客の仕事の方が合っていると思うようになったんです」

接客の仕事に、楽しさとやりがいを感じていたという宇宿氏。
「そんな中、働いていた店が閉店することになり、オーナーから「EC事業を引き継がないか」という話を持ちかけられました。それまで独立を考えたこともありませんでしたから驚きましたね。そんな迷っている私の背中を押したのは、スタッフ全員の『今の仲間と一緒に働き続けたい』という言葉でした」

スタッフの言葉に背中を押される形で、事業の引き継ぎを決断した宇宿氏。職場がなくなるという事態から急転直下、経営者人生がスタートした。

急ぎの会社設立に対応してくれたFirstStep

EC事業を引き継ぐとはいえ、会社は引き継がないという条件(会社の売買ではなく、営業譲渡)だったため、会社を設立する必要があった。
「法人格がないと企業間取引ができないためです。人も在庫もある中で、一刻も早く事業を行うためにも、早急に器となる会社設立をする必要がありました」

実は、宇宿氏が働いていた会社の税務を担当していたのが中央会計だった。
「できるだけ早く会社設立をしたいとお願いし、1回か2回の打ち合わせだけで設立してもらえました。早かったですね。とても満足しています」

仕事も仲間も変わらず、自分の役職だけが変わった宇宿氏。
「密かに経営には自信があったんです。ずっと楽器を知らない社長のもとで仕入れや販売の値決めといった主要業務を私が取り仕切っていましたから。でも起業後、あの頃の私は『経営しているつもり』なだけだったと、身に染みて感じています」

仕事においてはお客さまや取引先といった『人』を大切にする。それはスタッフ時代から変わらない。
「商売も結局は人と人との信頼関係がすべて。インターネットのビジネスにおいても顔が見えない分、丁寧な対応を心がけていますし、必ず電話でお話しするようにしています。手間を惜しまないコミュニケーションが信頼関係を生むのだと思います」

夢は実店舗&海外への展開

突然の話で経営者となった宇宿氏に、これから起業を目指す人へのアドバイスをお願いした。
「起業を目指す人は多いと思いますが、私は思いがけないきっかけで起業して経営者になりました。本当に意外なところからチャンスは巡ってくるんですよ。起業がチャンスか、というのはありますが(笑)。でも、チャンスは意外と目の前の近いところにあるモノだ、ということがわかりました」

また即断即決の判断力を強みにする経営者が多い中、宇宿氏はよく悩むタイプだという。
「悩んでどうにもならないことは寝て忘れますが、悩むべきことについては、行動に起こすまでトコトン悩みます。即断即決している人も、実は陰でものすごく悩み考えていると思いますよ」

最後に今後の展開についてお話をうかがった。
「拠点を増やすことよりも楽器店としての価値向上を目指したい。その視点から考えると必要なのは実店舗。小さくてもしっかりした接客で大手楽器店に負けない影響力を持つ実店舗を出したい。また、海外に日本のギターを販売するショップを作るなど、海外展開にも挑戦してみたいですね」

担当者より

宇宿様とは、事業を引き継ぐ前の会社からお付き合いさせていただいておりましたが、そのときはお話しする機会もほとんどありませんでした。事業を引き継ぐという事になってご相談をいただき、会社の設立から税務顧問までを任せていただけることになりました。
また、宇宿様は従業員からいきなり経営者になり、仕事に対する考え方が変わったとおっしゃっていました。従業員時代に経営者から掛けられていた言葉の意味がわかるようになってきたとも。
会計という観点からWushboneMusic様の発展にこれからも携わらせていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。(澤 和樹