働く男をカッコ良くするために起業

イキイキと働く姿を見て起業を決意

メンズアイテムの総合セレクトECサイト『FREE SPIRITS』を運営する株式会社プリンシプル。代表取締役の村田光俊氏は、船井総研であらゆる業種のWebサイトをコンサルティングし、アドバイスをしてきた経験を持つ。
「船井総研では多くのWebサイトのアドバイスをさせていただきましたが、カタチのあるモノを販売することはありませんでした。ある時『モノを売る』ビジネスをしてみたいと思ったのが起業のきっかけです」

また、ECサイトでの販売を選んだのは、コンサルタントとしてノウハウを持っていたのはもちろん、なにより仕事を通じて出会う人々が魅力的だったという。
「コンサルティングを通じて出会うWebショップの経営者の皆さんが、本当にイキイキと働いていたんです。今思えば『面白そうだ、自分もやってみたい』と思ったのが、起業に踏み切った一番の理由かもしれませんね（笑）」

船井総研に約6年半勤めた村田氏だが、起業をしようと決意したのは退社する半年ほど前。退職後は、半年ほどアジア周辺の国々にある自分のWebサイトで扱う予定の商品を製造する現場を旅し、起業したのは退社してから約1年後のことだった。
「会社員時代、コンサルタントとしてアドバイスしてきたことを自分自身で検証することはもちろん、リスクが高いと考えてお客様にはアドバイスできなかった手法にも挑戦しています。誰よりもECショップ成功に関する知見は多いつもりですが、実際やってみると思い通りにはいかない。ECって面白いですよね（笑）」

原理、原則、信条を大切にしながら経営する

企業の成長要素には、マーケティング、マネジメント、ファイナンスの3つがある、と村田氏。
「マーケティング以外のマネジメント、ファイナンスはどちらも未経験で絶対的な正解がない世界。それでも常に理想と現実を意識し、日々チャレンジと試行錯誤を繰り返しながら前進しています。スタッフ全員で未来の方向性を共感・共有しながら会社を成長させることを目指しています」

会社設立をFirstStepに依頼したのは、ある勉強会でFirstStepスタッフと知り合いだったため。ごくごく自然な流れだった。
「会社設立は自分でもできるのでしょうが、資本金はいくらが良いのか、定款はどう作れば良いのかなど、意外と考えたり調べることが多い。そういった点も先回りしてアドバイスがもらえるので、起業準備に集中できました」

縁を大切にしながら生まれた企業とも言えるプリンシプルという社名には、村田氏自身がビジネスに取り組む上で大切にしていることが存分に込められている。
「プリンシプルとは、原理、原則、さらには信条という意味があります。そのあたりを大切にしながらビジネスや経営に取り組みたいという想いがありました。誰もが頭の中では分かっているんですが、経営者には道を踏み外す誘惑が多いのも事実。そうならないために、しっかりと自らの原理、原則を守り、起業前の想いを忘れずにいたいと思います」

一人でも多く働く男をカッコ良くしたい！

続いてこれから起業しようとする人は、どのような準備をすべきかうかがった。
「実際に起業すると、起業前に頭の中で考えていた通りにはいきません。上手くいかなかった場合、つまり最悪のシナリオに対する準備を考えておくこと。そうすれば失敗する確率が低くなると思います。ただし、最悪のシナリオに囚われすぎると、成長のチャンスを逃してしまう可能性が高まるので注意しなければなりませんが」

今後の展開についてお話をうかがった。
「当社のミッションである『働くを楽しく』『働く男をカッコ良く』を日本中の男性に広めたい。私たちが扱う商品を通じて、この想いを広めていくつくもりです。2014年はこの取り組みをさらに加速させるため、神戸・元町に実店舗『FreeSpirits神戸店』を作りました。『自由人』が集まるお店にしたいと思っています」

当然のことながら、現状と自分が描く理想との間には、まだ大きな開きがあると語る村田氏。現実を理想に近づける上で、実店舗は大きな役割を果たすという。
「実店舗でお客様の様子を観察したり、コミュニケーションを図ることで、購買プロセスをさらに詳細に分析できると同時に、購買データの裏側にある顧客心理を知ることもできます。ECと実店舗の相乗効果で、一人でも多く『働く男をカッコ良く』していきたいですね（笑）」