純粋な顧客サービスが起業の礎に
大阪の企業コミュニティ「関西活性化プロジェクト」を運営し、ビジネスマッチングや人材育成の情報共有を行う株式会社パズル。代表取締役の北野昭和氏は、起業前は広告系の営業マンだった。
「起業前に勤めていた会社が、リーマンショックの影響で本拠を東京に移転することになったんです。しかし、『地元・大阪でできることがまだあるはず』と考えた私は、退職して大阪に残ることを決意しました」
自分にできることを模索する中、北野氏が辿り着いたのはお客さま同士をマッチングするコミュニティづくりだった。
「現在の事業は、前職時代に純粋な顧客サービスの一環として行っていたものとほぼ同じなんですよ。どんな事業で起業するかを考えていた時、『自分が一番得意なことをやろう』と決め、ビジネスマッチングを事業の柱とした『関西活性化プロジェクト』を立ち上げることを思いついたんです」
「関西活性化に貢献したい」という想いこそ、株式会社パズル設立の原動力だったのだ。
「人と人をつなぎ、売上アップやビジネスネットワーク構築のお手伝いをさせていただくことで、関西活性化に貢献したかった。その想いを実現できたのは、何の実績も形もないコミュニティに参加を決めてくださった多くの方々のおかげです。皆さんの支援なくして今のパズルはありませんでした。参加してくださる皆さんにご恩返しをしたい、そんな想いで全速力で動いていたら結果がついてきた、そんな感じですね(笑)」
『当たり前のことを当たり前に継続する』の難しさ
現在、『関西活性化プロジェクト』に参加する企業は約100社。多くが参加企業の紹介によるものだ。
「参加企業の中には、ビジネスマッチングしづらい業種の企業もおられます。当然のことながら、そのことを入会前に正直にお伝えします。ただ、我々のコミュニティには人材教育に関する情報共有など、他のメリットも多いですから、マッチング以外のメリットで満足していただけています。もちろん、我々が難しいと思う参加企業がマッチングすることも少なくありません。コミュニティの中で予期せぬ化学反応が起こるのは、我々にとってもうれしいこと。また、コミュニティを通じて参加企業が成長していく姿を間近で見るのは、大きなやりがいと楽しさがあります」
会社員時代の顧客サービスを事業化レベルにまで昇華した北野氏。仕事を進める上で最も大切にしているのは、『当たり前のことを当たり前に継続する』ことだ。
「パズルには、24の行動指針があります。これは『当たり前のことを当たり前に継続する』ことを常に意識し、継続し続けるために存在します。我々のお客さまはほとんどが経営者なので、小手先のテクニックは通用しませんから」
仕事は人間力を高める唯一のフィールドかもしれない、と考える北野氏。
「人の内側からにじみ出る人間力って、そう簡単には磨けない。でも、自らが定めた行動指針に沿って愚直に行動し続ければ、磨けるんじゃないか……そう信じています」
大阪を、関西を、そして日本を元気にしたい!
『会社と会社をパズルのようにつなげる』ことを目指し、社名をパズルと名付けた北野氏。起業を検討している人へのアドバイスをお願いすると「感謝の気持ちを持つこと」という答えが返ってきた。
「実は、私自身がもっと必要だと感じていることなんです。物事を柔軟に考え、固執せずに広い心で受け入れられる人間になれば何事もうまくいきますからね。そのためにも、自分がされて嫌だと思うことを人にはしないようにしています。物事は巡り巡って、必ず自分に返ってきますから。何事にも感謝の気持ちを持ち続けられる人でありたい」
最後に今後の展開について話をうかがうと、関西で300社、続いて広島で100社、さらに続いて福岡で200社のコミュニティを作り、西日本で600社のネットワークを構築することを目指すという。
「600社のコミュニティが完成すれば、東京に頼らずとも日本全体を発展させるきっかけが作れるはず。小さな小さな動きではありますが、大阪から関西を元気にし、最終的には日本全体を元気にすることこそ、パズルが目指すところです」
担当者より
「何事にも感謝の気持ちを持ち続ける人でありたい。」のお言葉は社長の人柄をすごく表しています。はじめてお会いしたときからすごく丁寧な対応をしてくださり、笑顔がすてきな方です。
「地元大阪から関西を元気にしたい!そして日本を元気にしたい!」という社長の目標を会計・税務の面からサポートさせて頂ければと思います。今後のパズル様の展開が楽しみです!(井阪 彩)