司法書士になること、そして海外で仕事をすること
不動産や企業の登記や名義変更などを行う友綱司法書士事務所。代表の友綱満氏は自らも司法書士として、登記や名義変更、さらには契約書作成や債権回収、許認可取得などの業務に取り組む。
「最近は企業さまや個人さまから法律に関する相談事を受け、その解決をめざす業務も増えています。従業員の方や経営者ご家族の悩みに対応することも多いですね」
友綱氏が司法書士の仕事をめざした一番の理由は、祖父が司法書士だったこと。
「祖父は60年以上、司法書士として活動していました。なので、その存在も業務も比較的身近な存在だったんです。加えて法律に興味があり、なりたい職業として弁護士などもイメージしていました。ただ、近年の法律改正で司法書士も裁判の法廷に立てるようになり、これは祖父と同じ道をめざすのがベストだと考え、司法書士をめざすことにしました」
大学も法学部に進み、大学卒業後は祖父の事務所で3年ほど修行しながら司法書士業務全般を学んだ。だが、ここで友綱氏はもう一つの夢を追いかけることを決断する。
「子供の頃から司法書士ともうひとつ、海外と関わる仕事をするのが夢でした。また、学生時代に学んだ語学力を活かした仕事をしたいと考えていたんです。そこで、司法書士の仕事はいったんお休みし、父が経営する文房具の輸入・販売を行う会社に入社することにしました」
父の会社では海外取引をサポートし、アジアやヨーロッパ各国での仕入れや契約に奔走した。
「その後、自分の司法書士事務所を立ち上げましたが、父の会社での経験は良い経験になりました。今、私の事務所は海外関連業務が増えていますが、父の会社での経験が大いに生きています」
人と人のつながりこそ、すべての根源
司法書士の仕事と海外での仕事、両方の夢を叶えた友綱氏と中央会計の出会いは、起業前にさかのぼる。
「東大阪にある父の会社を手伝っている時、まだ会計部門が整備されていませんでした。そこで、同じ東大阪で力になってくれる会計事務所を探したところ、中央会計さんに出会ったんです。素晴らしいビジョンと素晴らしい対応に感激し、依頼することにしました。そうした経緯もあり、私の起業を中央会計さんにサポートしてもらうのは、ごく自然な流れでしたね」
中央会計に依頼することで、会計面以外にも起業成功塾への参加やITを駆使した組織づくりなど、多くの刺激を得ていると語る友綱氏。
「新しい試みや情報提供を積極的に推進されている点なども、大いに参考にさせていただいています」
続いて、ビジネスに取り組む上で大切にしておられることについて尋ねた。
「やはり人と人のつながりですね。人との出会いは自分の考え方や人生の楽しみ方、大切なものまで変える。人との出会いは運命を変える力を持っていると思うので、私は最も大切なものだと考えています」
日本企業の海外進出サポートを強化
公的書類や契約書の作成、手続きなどを行うのが司法書士の主な仕事だが、その裏側には必ず人がいて、実は人間味あふれる交渉や調整こそが司法書士の大切な役割だと語る友綱氏。これから起業する人へのアドバイスをお願いした。
「ひとつ目は自分がやりたいことをやること。ビジネスとして成立するかどうかの判断は必要ですが、好きであることは、差別化できるほど深く熱心に取り組めるということですから」
そして、ふたつ目が経営を学ぶこと。
「起業直後の中小企業は、営業に熱心で経営を疎かにしがち。でも、資金ショートやスタッフ管理など、経営には意外と落とし穴が多い。しかも、義務教育や大学では、経営者になるための勉強は教えてくれませんからね」
今後の展開についてうかがうと、これまでの経験をフルに生かした事業展開を行っていきたいという。
「日本企業の海外進出のサポート業務を強みとしていきたい。海外で日本の常識は通用しませんし、現地の最新情報が海外進出の成否のカギを握ります。私の現地ネットワークを駆使して、スピード感のあるサポートを提供します。もちろん海外企業の日本進出もサポートしていきたいですね」
現在は、日本企業のアジア進出サポートを『カンボジア+ASEAN進出サポート』としてパッケージ化して提供するとともに、海外の水問題や貧困問題を解決するための支援などにも積極的に取り組んでいる。
「多くの人とのつながりが、新たなつながりを生み出します。それが多くの人をサポートすることにつながり、さらには私自身の人生を楽しく豊かにしてくれるはず。これからもどんどん海外とのつながりを強めていきたいですね」
担当者より
友綱様とは現在の司法書士事務所を立ち上げる前からのお付き合いになります。
有力なつながりもなく、ヨーロッパへ渡り、海外有名企業との契約を成立させたりなど、その後も多くの海外企業との取引を成立させてきました。当時からとてもバイタリティのある方でした。もともとの夢は司法書士をやりたいというのは知っていました。独立の際にお声掛けいただき、非常にうれしかったのを覚えています。
登記関係はもちろん、ビザの取得サポートなどでもよくお世話になっております。引き続き税務会計の面からサポートさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(澤 和樹)