理想の法律事務所を作ろうと起業

３つの「かける」を実現するために起業

かける法律事務所は、法人や個人の皆様に対してリーガルサービスを提供する法律事務所。法人の方々には契約書チェックや紛争対応、取引システムやコーポレート・ガバナンス等の構築に向けてのアドバイス、企業間の業務提携やM&A、フランチャイズに関するサポート等を、個人の方々には紛争対応、相続や成年後見等の対応を行っている。
「2007年の弁護士登録後、東京の法律事務所に勤務し、知財関連業務やM&A等を数多く経験してきました。現在は事業再生をはじめ、中小企業やベンチャー企業の支援にも力を入れています」

細井氏が弁護士を目指したのは高校生の時。
「高校の出張授業で、弁護士の方が来られて話をされたのですが、その話を聞いて弁護士という職業に憧れを持ち、大学も法学部に進学しました」

弁護士になった後は、東京の法律事務所に勤務後、大阪の法律事務所に移籍。
「大阪の法律事務所に移籍した後、今の事務所の理念である「未来へ翔ける」「専門性を掛ける」「橋を架ける」という3つの「かける」の実現を目指し、理想の法律事務所をつくりたいという想いが強くなりました。この想いを実現する一番の近道が、独立起業だったんです」

また、細井氏は35歳という年齢にもこだわりがあったという。
「弁護士になった25歳ごろ読んだ本の中に『35歳に人生の分岐点がある』とありました。まさに独立したのが35歳を迎えた直後だったのは、この本の影響があると思います。将来大きく飛躍するためにも、独立するなら35歳までにという想いでしたね」

プロボノ活動にも取り組む

細井氏が中央会計と出会ったのは、中央会計が東大阪市で開催した創業塾に参加したことから。細井氏は、当時、東京から大阪の法律事務所に移籍した直後だった。
「大阪では中小企業やベンチャー企業を支援する業務がしたいと考えていました。漫然と『中小企業＝東大阪』というイメージが頭に浮かび、東大阪市での創業塾を見つけて参加したのが最初です。スタッフの皆さんの人柄も素晴らしく、独立して仕事が軌道に乗ってきたタイミングで、税務は専門家に任せるべく中央会計さんに依頼しました。価格はリーズナブルですし、『First Step』や『Next Step』のイベントも素晴らしい。毎回参加し、新たな人的ネットワーク構築に活用させてもらっています」

そんな細井氏が、仕事に取り組む上で大切にしていることを尋ねた。
「リスクを指摘するだけじゃなく、解決する方法も一緒に提案するよう意識しています。リスクを示すだけでは物事は進みません。こうすれば回避できるかも、こうすれば道が開けるかも、といった解決法の提案こそが我々の仕事だと意識しています」

また、弁護士の使命としてプロボノ活動やNPOの活動にも積極的に取り組んでいる。
「知的財産権の普及＆確立と高齢者や障がい者の人権擁護という、2つのテーマでプロボノ活動を行っています」

ビジョンや理念、コアバリューを大切に！

３つの「かける」を理念として掲げ、活躍する細井氏。これから起業する人へのアドバイスをお願いした。
「ビジョンや理念を大切にすること、そしてコアバリューを持っておくことでしょうか。コアバリューとは、物事を判断する基準となる基本的な価値観であり、事務所全体で共有すべきものです。ビジョンや理念とコアバリューをしっかりと決めておかないと、目先の利益しか見えなくなってしまいます。目先しか見えなくなること自体が悪いとはいいませんが、短期的思考では小さなものしか生み出せなくなってしまいます。事業に長期的視野を持とうとするのは、それ自体が目的ではありません。より大きな成果を生み出すためには、持続的に事業に取り組まないと実現できないからです」

最後に今後の展開について話をうかがった。
「弁護士の使命や原点を忘れずに活動していきたい。常に理想を掲げ、その理想を目指して前進し続けたい。事務所の規模拡大にはこだわりませんが、大きな目標に取り組むには自分ひとりの力だけでは限界がある。今後は、もっとたくさんの仲間を増やすことも視野に入れて、弁護士としての使命を果たしたいと考えています」