8期目を迎え、社内変革中
企業向けWebサイトの制作やインターネット広告代理店業、そしてWeb業界向けセミナーイベント『リクリ』を主催する株式会社スワールコミュニケーションズ。代表取締役の小山瑞穂氏は『リクリ』での講演者選定や交渉、会場ブッキングなども行っている。
「もともと『リクリ』は個人の活動として始めたものなんですが、将来的には経験やノウハウを社内で共有して、社員研修やセミナーイベントの運営を事業化できればと思っています」
小山氏は大学生の頃、買ってもらったパソコンを使って独学でWebサイトを作ったりしていた。しかし、就職活動がうまくいかずにニート状態に。
「ニートっぽい私を見た父に『アメリカに知人がいるから行ってこい!』と言われてアメリカに留学し、知り合った日本人女性のビジネスを手伝うことになって。それがインターネット関連のビジネスだったんです」
そこで自分がやりたいのはWebの仕事だと気づき、帰国後すぐにWeb関連の専門学校に入学。卒業後はテレビ局の子会社でWebサイトの更新や制作、ディレクションを担当。起業の誘いが来たのは、テレビ局で働きはじめて数年が経った頃だった。
「知人に誘われて3人で起業しました。最初は個々の活動が基本で、お互いの能力が生かせる時には一緒にやるというスタンス。ただ、8期目となる現在、私以外の2人はすでに会社を離れてしまいました。現在は私を含めて8人のスタッフで業務を行っています」
一緒に起業した2人が会社を離れるまでは、自分が代表取締役という意識は薄かった、と語る小山氏。しかし、起業時の仲間が会社を離れたことで、会社のことを本気で考えるようになったという。
「今まではいわゆる下請け精神で仕事を待ってばかりいました。これからは、こちらからアプローチして仕事を作る会社に変えていきたい」
Webサイトは完成してからがスタート
起業時に法人化したのは、テレビ局で働いている時の経験から。
「テレビ局をはじめとした大企業が、個人事業主と取引しないことは知っていました。法人じゃないと、大手企業の仕事を獲得することは難しいと考えたんです」
中央会計に会計業務を依頼するようになったのは、会社設立してから数年が経った頃。
「もともと大阪で『リクリ』をやる時に会場探しに苦労していて、知人からセミナールームを持つ中央会計さんを紹介してもらったのが最初。ただ、当時は弊社もお願いしている税理士さんがいて、すぐに変更するという訳にはいかなくて。ある時、担当の税理士さんが転職することが決まり、そのタイミングで中央会計さんにお願いすることにしました」
中央会計に依頼するようになって変わったのが、アドバイスの中身。
「中央会計さんは会計だけじゃなく、広い人脈と数字をもとにして経営のより深い部分まで踏み込んでサポートやアドバイスをしてくれる。会社に関することなら、何を相談しても助けてもらえる印象ですよ(笑)」
新生スワールコミュニケーションズをめざし、さまざまな改革に取り組む小山氏が、ビジネスに取り組む中で大切にしているのが『Webサイトは完成してからがスタート』ということ。
「私たちはもちろん、お客さまもWebサイトの完成で満足してはダメ。そのWebサイトが事業に貢献し、有効に活用されないと意味がありません。お客さまの満足ではなく、お客さまの向こう側にいる本当のお客さまを意識したWebサイトを作らねばならない。加えて、Webのプロフェッショナルとして、せっかくの投資を無駄にしないようサポートするのが私たちの使命です」
「ちょっと新しいチャレンジ」が自分の周囲を変える
これから起業する人にアドバイスをお願いすると、「ちょっとでも新しいことにチャレンジすることでしょうか」と小山氏。
「大きな挑戦をする必要はありません。例えば、法人化するのも『ちょっと新しいこと』ですよね。この『ちょっとの変化』が自分を変えるきっかけになったり、新しい出会いにつながったりします」
小山氏は代表取締役になるだけでも変化があると言います。
「世の中には『社長って凄い!』と思っている人が結構多い。自分一人だけの会社でも、社員100人の会社でも、肩書きは同じ代表取締役。これを利用しない手はありません。代表から社長になるだけで、出会う人は確実に変わりますよ」
最後に、今後の展開について話をうかがった。
「世の中には、Web業界に長くいる私たちにとっては当たり前のことを知らずに困っている人が多い。そうした人たちに、インターネットの可能性を感じてもらうお手伝いができれば。インターネットって、画面の向こう側に必ず人がいます。お客さまが常にそこを意識できるようなお手伝いをしていきたいですね」
担当者より
スワールコミュニケーションズさまをサポートさせていただくようになってから2年が過ぎました。
時代の流れや環境の変化があろうとも、ビジョンを掲げて常に足元をしっかり見られています。 だからこそWebの世界に身を置きながらも、出会った頃と変わらずチャレンジを続けておられるのだと思います。 同世代ということもあり、小山さまからは多くの刺激をいただいております!(梛野 季之)