代表取締役 佐田 幸宏
HP http://designegg.co.jp/
Facebook https://www.facebook.com/DesignEgg/
会社名 | デザインエッグ株式会社 |
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住所 | 〒579-8012 東大阪市上石切町2-11-22 |
代表者名 | 佐田 幸宏 |
事業内容 | IT×出版の領域で、誰でも簡単に紙の本が出版できるサービスの提供 |
初の自社サービスは、なんと利用者ゼロ
「IT×出版」における領域を中心に『Kampa!』や『MyISBN』といった世の中のライフスタイルを変えるような世界初のサービスを生み出して提供するデザインエッグ株式会社。代表取締役の佐田幸宏氏は、大学では情報システムについて学び、大学院に進んだ。
「大学院時代、自分より能力が高いエンジニアを見て、『ITの世界では勝てない』と感じたんです。ならば自分の価値を最も高く感じてもらえる就職先をと考え、ITから最も遠いであろうメーカーに就職しました」
メーカーで働いた約2年間は、マーケティングの部署などに所属し、プログラミングの機会は皆無。「いつか起業」と考えながら「何で起業するか」を模索する日々だった。そんな時、AppleがiPadを発売すると知り、電子書籍関連サービスでの起業を決意し、会社員のままデザインエッグ株式会社を設立した。会社設立後しばらくは、会社員の仕事と自社サービス開発を両立しながら睡眠時間を削る毎日だったという。
「会社設立1年後には働いていた会社を退職して、さらに開発に没頭した結果、電子書籍サービスが誕生しました。しかし、まさかの利用者ゼロ。完全な失敗でした」
社運を賭けた初の自社サービスの失敗。手詰まり状態の佐田氏を救ったのは、あるウェブをテーマにしたプレゼンテーションイベントだった。
「このイベントに参加したことで、大阪のWeb界隈の方々と知り合ったりオオサカンスペース入居のきっかけとなり、結果的に『Kampa!』や『MyISBN』などの誕生につながっていきました」
多彩な人々との雑談や旅行こそ、最高のインプット
中央会計との出会いはオオサカンスペースを通じて。出会って以来、経営やお金の相談に乗ってもらっていた。
「経営が安定してきた頃、何度か『無料相談ばかりで申し訳ないから契約する』と伝えると、中央会計さんが『まだ契約する必要はありませんよ』と断られたんです。契約の依頼を断る会計事務所って珍しいですよね(笑)。結局、契約するまで『ぜひ中央会計と契約してください』とは言われなかった。でも、それこそがお客さまのことを本気で考えてくれている証拠だと感じました」
「世界初」のサービスを提供し続ける佐田氏が大切にしているのは、旅行や雑談といったインプットだ。
「特に色々な人と雑談することを大事にしています。『Kampa!』はオオサカンスペースに設置するコーヒーメーカーの購入費用集金のために、『MyISBN』は電子書籍を書いている人が実名登録せずに1冊から紙の本を出版できるようにと生まれました。どちらも雑談の中から、サービスのきっかけやヒントを得ています」
世界初のサービスを誕生させるにあたって意識するのは、「世界初かどうか」ではなく「課題の解決」だという。未解決の課題を解決できれば、それがすなわち世界初のサービスになるというのだ。
「送金手数料が必要という課題を解決するために『Kampa!』が、ISBN取得に実名が必要という課題を解決するために『MyISBN』が生まれました。大切なのは課題を課題と認識できるかどうかや課題の解決方法で、それは過去のインプットから導き出されるものだと考えています」
まったく新しい読書体験を提供したい
世の中にないサービスを生み出し、愛情を注ぎ続ける佐田氏。未来の起業家にアドバイスをお願いした。
「まず1円でも稼げるサービスやプロダクトを作りあげてから起業することですね。最初から会社を作ってフルコミットしても最初はやることがありませんから、週末起業で大丈夫。『Kampa!』の開発期間も、実質的にはわずか4日間ですから」
スタートアップ界隈では、代表取締役の名刺よりも自分で作ったサービスやプロダクトを持っている方が強いのだ。
「会社員をしながらエンジニアやスタートアップのイベントに参加するなどしてインプットを続け、作りたいサービスが浮かんだら、すぐに作ってとにかく世に出してみる。バグが見つかれば、感謝して直せば良い。そもそもバグが見つかるということは、サービスが利用されている証ですから(笑)」
今後の展開について尋ねると、『MyISBN』で取り組んだ出版の世界で新たな可能性を創造したいという。
「『MyISBN』を利用して出版された書籍は、4年間で1,000タイトル以上。この資産を生かし、これまでの著者と読者の距離感が一変するような、新しい読書体験やコミュニケーション体験を提供するサービスを生み出したい」
当然ながら、これからもデザインエッグは世界初のサービスを作り続けていく。
「これまでゼロをイチにするサービスの提供に取り組んできましたが、今後しばらくは1を10や100にする新サービスを提供したい。3年後か5年後かに、再びゼロをイチにするサービスを作る時が到来するはず。その時に何を作るのかは、自分自身でも楽しみですね。きっと今まで通り『課題ないかなぁ』って探し続けていると思いますが(笑)」
担当者より
デザインエッグさまは、世界初のサービスを提供する大変おもしろい会社です。 これからも課題を解決する新しいサービスを生み出していくデザインエッグさまを財務・会計の面からサポートさせていただきたいと思います。(辛島 政勇)