就職支援コンサルティングで起業　井原 朋風氏

人材関連の仕事が天職だと感じて起業準備

就職支援のコンサルティングや採用のコンサルティング、さらには職業訓練や就職関連のセミナーも行う株式会社ミチシルベ。代表取締役の井原朋風氏に業務内容をさらに詳しくたずねた。
「就職や転職に関わる相談業務がメインですね。例えば、エントリーシートや履歴書、職務経歴書の書き方指導や添削などの相談にアドバイスしています」

もともと人材関連企業やパソコンスクールで働いていた井原氏。人材に関わる仕事と、スクールでの“人に教える”という仕事に興味があったという。
「目標や夢を持っている学生さんが希望の企業に就職するお手伝いができることに喜びを感じていました。人材関連の仕事が自分の天職だと。やはり、その人のことを思って一生懸命アドバイスしていると、お礼のひと言や笑顔など、必ず何かしら帰ってきます。そうして人と人、人と起業を繋ぐ部分に関わることがとても楽しかったんです。働きたい人と働いて欲しい会社が、「この会社で良かった」「この人で良かった」と、両思いになるのが一番の喜びでした」

ただ、やはり企業に属していると、できないことも出てくる。それを実現するためにどうするかを考えた結果、起業という結論に至ったという。
「私が理想と考える人との関わり方があって、それを実現するには転職と起業、どっちの方が実現可能性が高いかを考えた結果、起業を選択したんです」

起業して人脈が広がるスピードが格段に上がった

起業しても周囲の反応の変化はほとんどなかったという井原氏。
「志を持った人をはじめ、たくさんの人とお会いする機会が増えました。それに伴って、人脈が広がるスピードや人脈の幅は格段に速く広くなりましたね。カウンセラーの研修会や勉強会に顔を出すと、起業を考えている人に相談されることも増えました」

FirstStepとの出会いは、起業のずっと前に見た電車の中吊り広告を忘れずに覚えていたという。
「たぶん、うっすらと頭の中で起業を考えていたぐらいのタイミングだったんでしょうね。会社設立の企業を4社訪問して、FirstStepさんにお願いすることにしました。決め手は、事務所におうかがいした時の説明が一番わかりやすかったことと、必要な部分だけをフォローしてもらえる仕組みですね。将来は、契約企業だけがセミナースペースを無料で使わせていただける特典を活用して、セミナーを行いたいですね」

迷うなら「まずやってみたら？」と背中を押す

仕事柄、就職や転職の相談に乗ることが多い井原氏。だが、起業はまったく違う考え方が必要だという。
「就職や転職は組織に属することを望む人で、起業したい人は自分で組織を作りたい思う人。感じるエネルギーの量も全然違います」

株式会社ミチシルベとして起業後は、起業の相談を受ける機会も増えた。
「起業の相談をされたら『とりあえずやってみたら？』と言います。人に意見を求める人は、大抵自分の中で結論を持っているもの。特に起業をするかどうか相談する人は、ほぼ全員が起業したいと考えていますから。もちろん、私で協力できることは喜んでお手伝いさせてもらいます」

最後にこれから目指すものについてたずねた。
「今は、バブル崩壊の時以上の就職氷河期。微力ですが、そんな状況を大阪から変えていきたい。そのためにも“やりたいこと”を見つけてもらうのが私の仕事だと思っています。例えば、子どもの時プラモデルを作っていて楽しかった人は、“モノを作る仕事”と考えれば自分が求める仕事は必ずあります。自分の好きなことや興味があることを仕事に繋げるのは、決して難しいことじゃない。私のミッションは、仕方なく働いている人を減らすことと、やりたいことを仕事にしている人を増やすこと。この2つのミッションを実現できるよう、一人ひとりとていねいに向き合ってサポートし続けていきたい。あとは、年を取っても趣味のバイクや音楽を楽しむ、シブイおじいちゃんになりたいですね（笑）」