人生を変えるオンライン英会話スクールの運営で起業

英語を使った仕事を一生の仕事にしたい！

『3カ月で人生を変えるオンライン英会話』をコンセプトに、オンライン英会話スクールの運営を行う株式会社NEW。代表取締役の岩崎達矢氏は、プロのミュージシャンをめざして高校卒業後に出身地の広島から大阪へやってきた。ずっとアルバイトをしながらバンド活動に明け暮れる日々だったという。
「大阪に来て約9年後、プロミュージシャンの道を諦めてバンドは解散。私自身も大きな挫折感を味わうと同時に、次の道が見つからず迷いの日々でした。そんな時、ふと通りがかったレコード屋の主人に紹介してもらったのが『シルク・ド・ソレイユ』での期間限定通訳の仕事だったんです」

高校時代に1年間アメリカ留学を経験したものの、10年以上は日本で生活していた岩崎氏。この仕事が初めての英語での仕事だった。その後、アメリカ発のネットベンチャー企業で、音楽に関連する日本市場向け業務を請け負うことに。その仕事が順調に進んでいた頃、東北大震災が発生した。
「地震後真っ先に考えたのは、『今の仕事は一生の仕事じゃないのでは？』という気持ちでした。さらに想いを巡らせる中で浮かんだのが、『英語なら、何か喜んでもらえるものができるんじゃないか？』という気持ちだったんです」

本格的に英語を仕事にしようと岩崎氏が最初に取り組んだのは『英語の勉強を継続するためのコンサルティング』だった。英会話自体を教えるのは効果も薄く、競合が多いと考えたこともある。早速、10人ほどの受講者にテストコンサルをしてみると、非常に満足度が高かった。
「でも、誰も英語の勉強を継続できていなくて…。この経験から『みんな英話の勉強が継続できないんだ」ということに気づきました。そこで、私自身が一人で勉強しながら英語力を向上させてきたノウハウをもとに、英会話へのモチベーションを維持する部分に比重を置いて開発したのが、現在のオンライン英会話の仕組みでした。モニター受講者からも『1年間のカナダ留学より、受講した3カ月間の方が英語が上達した！』と言ってもらえた。それで、この事業で起業することを決意しました」

正直さと誠実さが、受講生の学びを継続させる原動力

FirstStepとは、オオサカンスペースで出会ったという。
「子どもが生まれ、自宅以外の場所にオフィスを用意する必要性を感じてオオサカンスペースに入りました。法人化するきっかけは、複数の受講者から『本当に個人事業主なのですか？』と聞かれたことと、大手企業との法人契約を結ぶチャンスが到来したこと、さらに専門学校の講師も担当することになり、法人化した方が良いと考えたんです」

その時に相談したのがFirstStepだった。相談の結果、急いで法人化してもらえるように依頼することに。
「新しいセミナールームを利用できることもFirstStep依頼の決め手になりました。英会話セミナーをやりたいと思っていたので。加えて『経営者はお金に強くならなければいけない』というポリシーに共感できたのもあります」

岩崎氏がビジネスに取り組む中で大切にしていること、それは『誠実、正直であること』だという。
「受講期間中の3カ月間、毎日のようにコミュニケーションするので、正直かつ誠実であることが必要。なぜなら、受講者の英語力の成長に大きく影響するのは、英語を学ぶ目的やその先に描く人生を先生が知っているかどうかなんです。受講生にしっかりコミットし、学びを持続させていくために、正直であること、誠実であることが必要だと思います」

起業はたいてい失敗するもの。でも起業してみないとわからない！

起業する際には起業塾などに参加したり、沢山の起業家と話をしたという岩崎氏。これから起業しようとする人へのアドバイスをお願いしすると、『やるか、やらないか。それがすべて』という答えが返ってきた。
「準備がどうこうじゃなく、実際に行動するだけの想いを持っているかどうか。持っていれば、自ずと起業するでしょう。やりたい事をトライしてみた人生としなかった人生、どっちを選択した自分でいたいのか？そこが前者なら、やってみるのをおすすめします」

さらに「起業はたいてい失敗するもの」という言葉も。
「起業前の想定通りに成功した人なんてほとんどいません。私自身も失敗してばかり（笑）。常に不安を抱えながら走っています。でも日本では、起業に失敗して倒産しても、生死に関わることはほぼありません。私も起業前、最悪の事態を徹底的に考えてみました。その答えは『会社を畳んでアルバイト生活に戻るだけ』だった。それが怖くて起業しないのは愚かだと考えて起業を決意できたんです」

最後に、今後の事業の展開について話をうかがった。
「新事業として『外国人と交換日記』に取り組んでいます。これは、交換日記を通じて外国人講師とマンツーマンのコミュニケーションを行いながら英語頭を養い、英語力の上達をめざすというものです。この事業を早期に軌道に乗せていきたいですね」

さらに、今後は『一対多』をキーワードに新たな展開を模索していくという。
「現在、日本の英会話学校はマンツーマンが主流ですが、昔の英会話学校や海外の日本語学校はみんな一対多。一人でも多くの方に英語の面白さに気づいてもらいたいので、『一対多』をこれからはやっていきたいし、その方が常に大手の逆をやってきたNEWらしい気がしています（笑）」