彫刻を学び、大学講師をしながらデザインの仕事に取り組む
映像やWeb、グラフィックなどのクリエイティブ、ブランディングなどに取り組む株式会社 the laB. media solution。手掛けるのは、百貨店のイベントプロモーションのほか、空間、映像、パッケージなど幅広い。代表取締役の江口雅之氏は、大学でグラフィックや映像とは少し異なり、物事を空間での出来事として捉える彫刻を学んでいたという。
「大学卒業後は就職せずに、複数の大学や専門学校で講師の仕事をしていました。彫刻やデッサン、色彩構成、ファッショングッズ制作などを教えていました」
大学や専門学校で講師をしながら興味を持ったのがコンピュータ。映像編集ソフトをはじめIllustrator、Photoshopといったグラフィック関連のソフトなどもすべて独学で習得し、自分自身がカッコいいと思う作品を作っていた。
「作品を作るうちに、多くの知人からイベントフライヤー作成やファッションショーで使う演出映像制作などの依頼が舞い込むようになりました。さらに制作したフライヤーや映像をご覧になった方からさらに仕事が舞い込む…という感じで仕事が増えていったんです。起業直前の頃には、企業のプロモーション映像なども制作するようになっていました」
そんな時、講師をしていた大学のうちのひとつが、女子短期大学から改組されることに。改組後の大学組織でも教鞭を執るかどうかの判断を迫られることに。
「制作の仕事も増えて安定していたので、デザイン事務所を立ち上げて起業しようと決断しました。最初は個人事業主としてスタートし、2009年には法人化、2015年には今の場所に事務所を移転しました」
FirstStepに任せて得られた『安心』
NEXT21 大阪通天閣天井画復刻プロジェクト
FirstStepとの出会いは偶然だったという。
「取引上の信用などを考えても、法人化は必要だと考えていました。でもなかなか踏み切れなくて…。そんな時、駅でFirstStepの広告を見たんです。すぐに電話し、相談すべく事務所にうかがいました。また、知人の会計士に聞くと『FirstStepや中央会計は良いと思うよ』というアドバイスをもらったことで、依頼を決断しました」
お金に関しては、分からないことだらけだと語る江口氏。
「経営者兼クリエイターとして、しっかりお客さまのプロジェクトに集中するにはお金のことをきちんとしたかった。その姿勢が信用にもつながると考えました」
FirstStep、中央会計に任せることで得られたのは『安心』だった。
「法人化直後は『何がわからないのかがわからない状態』で、ただ聞くばかりでした。でも決算を何度か経験すると、聞きたいことがわかってくる。融資のことや送られてくる書類のこと。何でも親身になって聞いてくれる人がいるのは本当に安心です」
クリエイティブディレクターとして、さまざまなジャンルの仕事に腕を振るう江口氏に、ビジネスに取り組む上で大切にしていることを聞いた。
「常に『アナログ感』は意識しています。私自身が彫刻科出身のせいか、手触り感を意識した紙の選び方にはじまり、デジタル制作の中でも映像内のざらつき感といった『視覚から感じられるアナログ的触感』を大切にしています」
無駄な回り道も、将来必ずプラスになる
大丸神戸店クリスマスプロモーション
続いて、これから起業しようとする人にアドバイスをお願いした。
「デジタルは無駄を回避してくれる道具。アンドゥで何度でもやり直せるなど、常に無駄を排除して最短距離を進める。でも、だからこそ意識的に無駄足を踏んで回り道をして欲しい。その瞬間は無駄な回り道でも、将来きっとプラスになりますから」
また、現在ほとんど営業活動をすることなく事業を継続できているのは『人の縁』のおかげ、と江口氏。
「仕事と全く関係ない縁が仕事につながることもあります。その縁をさらにつなげるには目の前の仕事に一生懸命取り組み、喜んでもらいたいという想いや姿勢を持ち続けること、常に恐れずにチャレンジし続けることが大事だと思います」
最後に、今後の展開について話をうかがった。
「やはりこの仕事をする以上、より多くの人の心を動かすパブリックなプロジェクトをデザインし続けたい。そのためにも常に人と違う見方を持ちづづけて『誰よりも早く新しいモノに気づいて、誰よりも早く新しいモノに飽きる』ような人間であり続けたいですね」
担当者より
江口社長は、人との繋がりを非常に大事にされる方で、天神祭の時期には会社にたくさんの人を招かれており、私も花火を鑑賞させていただいております。 今年も楽しみにしております!
今後も、the laB media solution様の 更なる飛躍に貢献できるよう、さまざまな面からサポートできればと思っております。
今後ともよろしくお願い致します。(木下 彰久)