福祉住環境整備のリフォーム＆リノベーション事業で起業

自宅新築が起業のきっかけに

バリアフリーを得意とするリフォーム・リノベーション事業と福祉用具の貸与販売を行う介護保険事業、そして企業主導型保育園の運営という3つの事業の柱を持つ株式会社ソレイユ。代表取締役の中井まひる氏が起業するきっかけとなったのは自宅の新築だった。
「起業前は『いつか地元である東淀川区内で起業したい』という想いがありました。そして自宅を新築する際に『よし、起業しよう』という気持ちに変わり、起業準備を始めたんです」

現在も自宅1階が本社となっており、中井氏が現場主体となって取り組むのは福祉住環境整備のリフォーム＆リノベーション事業だ。
「店舗の内装工事や住宅リフォームなど、仕事内容はさまざま。その中でも、介護状態や障害をお持ちの方に対するバリアフリーやQOLが向上する住空間提案を専門的に行う福祉住環境整備の分野を含んだリフォームや建築を強みとしています」

また「起業前に勉強して今までの働き方を変えよう！」と考え、縁があったITコンサルティング会社に転職した経験も持つ。
「以前から知人でもあるITコンサルティング会社の社長に起業の相談をした際『ITを活用した業務効率化のノウハウを学んでから起業する方が良いよ』というアドバイスをいただき、その社長の会社で1年間働かせてもらい、チャットワークやG SuiteなどのITサービス活用法を学びました。実はこれが起業後の会社運営にとても役立っています。もし学んでいなかったら、私も会社も潰れていたかもしれません」

「経営数字に関わる業務はプロに任せる」が結論

起業後の税務については、1期目はご主人が営む飲食店が依頼している税理士に決算作業だけを依頼し、2期目は自分自身で決算作業を実施、中央会計に依頼したのは3期目からだという。
「1期目は、税理士さんに領収書などを全部渡すだけで決算書ができあがってきました。ただ、決算書を見ても自分の会社の状況が全然わからなくて。これではダメだと、2期目は会計事務所で働く知人の助けを借りて自分で決算書を作成することにしました」

自分で決算書を作成したことで数字の意味を把握できるようになったが、同時に決算を含めた数字に関する業務はプロに任せるべきだという考えにも至った。そして税務を任せることになる中央会計の存在は、起業する以前から知っていたという。
「働いていたITコンサルティング会社も中央会計と契約しており、中央会計のセミナールームでセミナーを開催していました。加えて私の趣味は空手なのですが、中央会計の代表も日本拳法と空手の経験者。格闘技経験者というつながりも決め手のひとつになりました」

また、ITを活用した効率的なコミュニケーションにも満足している。
「チャットワークやクラウド会計システムなど、オンライン上で作業やコミュニケーションが進行するので時間を有効に使えます。レスポンスも早いですし、経理未経験のスタッフにも丁寧に教えてくれるので安心して任せられます」

効率的な働き方を大切にするのは、中井氏を含めたスタッフ全員が子育て中の主婦であることにも由来する。
「家庭と仕事のバランスはとても大切。限られた時間の中で、どうやって家庭でも職場でもストレスなく働いてもらうか。効率良く時間を使って、気持ち良く働いてもらうことを常に意識しています」

理解者、サポーターを増やすことが大切

中井氏にこれから起業しようと考える人へのアドバイスをお願いすると、「起業する自分の想いをより多くの人に理解してもらうことが大切」という答えが返ってきた。
「起業前に週末の休日だけ自分の事業に取り組んでいた頃からずっと、私以外の人でもできる業務は誰かに依頼し、自分にしかできない仕事に集中することを意識していました。そうすることで私の事業に関わる人を増やそうと考えたんです」

こうすることで、より多くの人に自分自身の想いや事業内容を知ってもらおうと考えたのだ。そして結果的にこの取り組みによって、起業時に多くの応援やサポートを得られたという。
「自分や会社のことを理解してサポートしてくれる人がいると心強いですよ、本当に」

最後に、今後の展開についてうかがった。
「地元・東淀川区に貢献したい。地元が必要としている事業は全部やりたいですね。その一環として、働く意欲を持つ子育て中のママが活躍できる場所をどんどん増やしていきたい。そのためにも、現在3つある事業の柱をそれぞれ成長させていきたいですね」