動画クリエイター養成サロンの運営で起業

初回からソフトを使用する超実践的授業が評判

動画クリエイター養成サロン『MOOCRES（ムークリ）』を運営する株式会社イケてるやつら。代表取締役のキムソンヨブ氏が「動画制作者養成のブートキャンプ」と語る通り、実践的なプログラムを短期集中で学べるプログラムが最大の特徴となっている。
「この講座は、動画制作のプロを養成する講座。だからこそ初回の授業からソフトを開いて手を動かしてもらっています」

もともとはデザイン関連の営業やディレクションを行っていたキム氏。ある時、国内外の有名イベントやカンファレンスなどで流されるPR動画を制作する桐山司氏と出会う。
「桐山氏は、かなり尖った作り手として動画制作の世界で有名なんです。そんな彼から『日本の動画業界の需要は確実に高まるだろうが、制作者はトレンドに流されすぎてオリジナリティが失われがち。それが将来的にはコンテンツの品質低下を招くかもしれない』と危惧する話を聞いたのがきっかけです」

それを防ぐために桐山氏自身がオリジナリティあふれる動画を生み出し続けるのはもちろんのこと、同時に新しいクリエイターを養成するのもひとつの方法だと考えたところから『MOOCRES（ムークリ）』のプロジェクトは誕生した。
「中には、講座修了前に動画制作依頼が舞い込む生徒もいます。また、授業内で『MOOCRES（ムークリ）』が受注したお仕事の制作を手伝ってもらうことも。もちろんギャランティをお支払いします。超実践型授業ですからね（笑）」

会社の財務は、「知らなかった」では済まされない

キム氏と桐山氏の雑談から生まれた『MOOCRES（ムークリ）』。この事業を立ち上げた当初、法人化の予定はなかったという。
「半年の講義を修了した一期生が、YouTuberとして活躍したり、有名放送会社からオファーを受けてダイジェスト動画の制作を依頼されるなど大活躍しています。すると今度は、私のもとに企業から卒業生を紹介してほしいという人材紹介の依頼が届き始めたんです」

人材紹介の免許を取得するには法人化が必要と知り、卒業生の将来の選択肢をさらに広げるためにも決断した。
「転職や就職のために『MOOCRES（ムークリ）』の門を叩く人も多い。そうした人たちの希望を実現するお手伝いをするためなら、喜んで法人化しようと」

FirstStepとの出合いは、スタッフとの個人的なお付き合いから。
「法人化の1年ほど前に、ヨーロッパを一周しながら現地のスタートアップ企業を取材するプロジェクトの出資をクラウドファウンディングで募りました。そこにFirstStepのスタッフが個人的に出資してくれて以来のお付き合いです。だから法人化の際は、真っ先にそのスタッフの顔が浮かびました」

実際に依頼してみて、サポートの手厚さを実感している。
「私たちがわかるのは営業と動画制作だけで、財務なんてまったくわかりません。でも『知らなかった』では済まされないのも確か。だから、わからないことがすぐに聞ける環境があるのは本当に助かります。あと、私たちに役立ちそうなイベントの案内や仕事のサポートをしてもらえるのも嬉しいですね」

大阪と東京から、イケてるクリエイターを輩出する！

「イケてる『MOOCRES（ムークリ）』でイケてるクリエイターを世にたくさん輩出し、イケてる社会を作っていきたい。その想いが社名『イケてるやつら』の由来です」と語るキム氏に、これから起業しようとする人へのアドバイスをお願いした。
「私自身も失敗したのですが、法人口座ははやめに準備しておく、ということでしょうか。実は、会社設立直後に口座を開設できなくて焦りました。これから事業を始めるために口座を開設するのに、銀行は事業の実績がないと作れないと言うんです。今でこそ笑い話ですが、本当に困りました（笑）」

最後に、今後の展開についてうかがった。
「2019年3月から東京校を開校します。大阪と東京の両方から、イケてるクリエイターをどんどん輩出していきます」 加えて、YouTubeを活用した広告事業にも挑戦予定だ。 「3分間で見られるWebドラマをYouTube上で展開します。このドラマ内でPPLによる間接広告を活用することで、コストパフォーマンスが高い広告効果が期待できると考えています。こちらは1年以内にチャンネル登録者30万人、東京オリンピックが開催される2020年には、100万人の登録者をめざします」