代表取締役 村中 伸滋
HP https://quiny.co.jp/

会社名 Quiny株式会社
住所 〒600-8815 京都府京都市下京区中堂寺粟田町93 KRP4号館3階 KRP BIZNEXT
電話番号 075-600-2916
代表者名 村中 伸滋
設立 2019年2月
事業内容 ・ロボット装置の研究開発、設計、製造、レンタル及び販売
・ITシステムの開発及び販売
・コンサルタント業

ロボット派遣で社会に貢献しようと起業

工場や作業現場でのロボット化や自動化の導入支援を提供するQuiny(クイニー)株式会社。代表取締役の村中伸滋氏によると、起業時のアイディアは人手不足で困っている中小企業へロボットを派遣する『ロボット派遣ビジネス』だったという。
「もともとは京都リサーチパーク(以下:KRP)というスタートアップ企業や研究開発のサポートを行う施設で、ベンチャービジネスやコラボレーションのサポートをしていました。そこで出会ったスタートアップ企業の経営者の話を聞くうちに『“ロボット派遣”なら中小企業が将来抱えるであろう人手不足という課題を解消でき、今以上に社会に貢献できるのではないか』と考えました」

そこで、KRPのスタッフ仲間や話をしていた入居者とともに起業することを決意。
「社名は、厚生労働省の産業分類コードで労働者派遣業を表す『912』からQuiny(クイニー)とすることにしました」

しかし、人手不足はまだ顕在化しておらず、ロボット派遣を事業化するには時間が必要だと考えた村中氏。まずは、現状の生産ラインや工程に対して、作業効率や省人化の視点から最適なロボットを提案し導入を支援するなど、すでに顕在化しているニーズに対応しながら“ロボット派遣”という将来ニーズに対応する体制を整えていくことにした。
「ソフト面とハード面の両面からクライアントのニーズや目的を把握すると同時に、メーカーや系列に囚われることなく最適なロボットやソリューションを提案できるのがQuinyの強みです。加えてパートナー企業の開拓や、ロボット作業に関する知見やノウハウの蓄積に努めています」

日々の仕事を楽しむことが大切

起業メンバーのひとりが『Startup Weekend Kyoto』の立ち上げを手伝っており、それがFirstStepとの出合いにつながった。京都以外の関西圏内で開催できる場所を探している時に、FirstStepのスタッフと知り合ったのだ。
「たくさん税理士の知り合いがいるのですが、起業に直結する部分でお付き合いがあったので依頼を決めました。実際にFirstStepも中央会計も頼りになります。何でも聞いてくださいと言ってもらったので『こんなことまで?』と思うことも聞いています(笑)」

そんな村中氏に、ビジネスに取り組む上で大切にしていることを聞いた。
「今の仕事は、さまざまな現場に出向いて人に会うのが仕事。そのせいか、常に驚きと発見があるんですよ。その驚きや発見を通して、日々の仕事をできるだけ楽しむように意識しています」

特に、製造業の現場には驚きがたくさんあるという。
「自動化やロボット化を支援する仕事だからこそ、一番驚かされるのは人間のフレキシビリティの高さです。人間の思考や動きを知れば知るほど、シンギュラリティに到達しても置き換えるのは簡単ではないと実感しますね」

何事もまずやってみないとわからない

これから起業しようとする人へのアドバイスをお願いすると「やってみないとわからない」という言葉が。
「やってみないと成功することもできませんが、取り組む前から成功確率100%にするのは不可能です。成功するか不明なところに飛び込めるかどうか。最初のモチベーションが重要だと思います」

もちろん起業後もモチベーションを継続しなければならない。
「起業後は予期せぬことがどんどん起こります。それを乗り越えるのに必要なのは、事業に対する熱量と冷静さという相反する意識のバランス。加えて、時代の半歩先を見つめながら、継続するモチベーションを持ち続けることが大切です」

最後に、今後の展開についてうかがった。
「現在、スマートフォンで生産ラインや製品の動画を撮影して送ってもらい、その動画からアルゴリズムを判別して最適な導入可能性を提案するというアプリを開発中です。このアプリを活用しながら、ロボット導入最適化ビジネスを日本中、世界中に展開していきたいですね」

起業時のマインドも忘れていない。
「ロボットの導入最適化ビジネスでつながった企業は、将来のロボット派遣事業においてもつながりを持てると考えています。今後も、ロボット派遣で中小企業の課題を解決するという起業時の目標を達成するべく努力を続けます」

担当者より

今後人出不足の将来を見据えた、斬新なアイデアの「ロボット派遣事業」。村中社長と起業メンバーの技術、さらにはノウハウがあるこそできるものだと感じさせられました。時代の先端を行くロボット事業で様々な提案ができるのは、この先も大きな強みとなると思います。
村中社長と起業メンバーのモチベーションの高さにはいつも驚かされます。これからも微力ながら精一杯サポートさせていただきたいと思います。(吉野 美咲)