毎日仕事を楽しむ中で出現した『起業するタイミング』をキャッチ
Webプロモーションで活用できるさまざまな媒体や広告、手法を組み合わせて、クライアントのWebマーケティングをトータルに支援する株式会社CHOICE。代表取締役の高祖直路氏は音楽に没頭し、 クリエイターの仕事や起業に憧れを持っていた。
「ただ、残念ながら自分にはクリエイティブの才能がないと感じていました。しかし、それなら経営者としてビジネス面からクリエイターと一緒に仕事がしたいと考え、志したのが起業だったんです」
大学卒業後に大阪の金融会社で働いた後、若くてもチャンスが多いと感じていたインターネット業界へ。東京のネット広告会社で働いたあと、Webメディアのベンチャーに転職した。
「社長からは『入社したら自由にチャレンジしてくれ』や『会社の起爆剤として暴れてほしい』という言葉を掛けてもらい『やりたいことが自由にやらせてもらえるなら』と入社を決断しました」
入社後はプロモーションを担当し、限られた予算の中で効果的なプロモーション手法を試行錯誤しながら編み出していった。新しい視点から生み出される手法は、業界内でも話題になっていった。
「すべてが手探りでしたが、自分が編み出したプロモーションで売上が10倍になるなど、刺激的で面白い毎日でしたね。次第に、ネット広告業界やアフィリエイト業界の方々から『起業しないの?』や『起業したら一緒にやりましょう』と言われるようになり、自分でも『今、起業するのがベストなタイミングじゃないか?』と思い始めました」
社長に相談すると「起業?してみても良いんじゃない?」という答えが。結果的に起業して初めてのクライアントは、起業直前まで自分が働いていた会社だった。
「起業後の事務所は、働いていた会社の一角を間借りする形で始めました。小さなスタートですが、自分なりに蓄積してきたノウハウや経験は、起業しても失敗しない程度には持てているかな、という自信はあったんですよ(笑)」
東京と大阪の物理的な距離はまったく問題なし
会社員時代から起業に向けて勉強をしていたこともあり、セミナーへの参加経験などを通じてFirstStepの存在は知っていた。起業を決断した時、新卒で就職した金融会社の先輩に「良い税理士さんいませんか?」と相談したところ、真っ先に名前が挙がったのが中央会計だった。
「スタートアップやIT関係の会社の税務に強く、しかも会社設立もサポートしている税理士事務所だ、と。信頼できる先輩が推薦してくれるなら間違いないじゃないですか。絶対お願いしようと決めました。さらに、中央会計の子会社であるFirstStepに会社設立もお願いしてしまおうと。もちろん東京と大阪という物理的な距離はありましたが、必要な時は東京に来てくれるということでしたし、実際に事業が軌道に乗りはじめたら、頻繁に事務所に来られても面倒だなぁと思って、あんまり気にはならなかったです(笑)」
今も、基本的にチャットワークでのやり取りで十分だという。
「ビジネスでもチャットワークを使っているのでとても便利で楽です。今思えば、東京の税理士事務所に依頼しても会う頻度は今と同程度だったでしょうね。むしろチャットワークでいつでも質問ができて、迅速に返答してもらえる環境が確保されている今の方が、コミュニケーションの質も満足度も高いと思います」
続いて、ビジネスに取り組む上で大切にしていることを質問すると、「常に面白くあれ」という答えが返ってきた。
「オリジナリティを重視するのは当たり前。単に笑える面白さだけではなく、『より面白く=より良いものに』というイメージでしょうか。関わる人すべてが決められた役割を決められた通りに淡々とこなして完了するのではなく、このメンバーだからできることや、今だからこそできることを意識して取り組むようにしています。また、クライアント様にプロジェクトそのものを面白がってもらったり、楽しんでもらえるようにも意識しています」
受託業務を事業基盤に将来は自社サービスに注力したい
これから起業しようとする人には「起業前から経営者目線を持つことが大事」と高祖氏。
「起業前から自分の仕事周りだけじゃなく、会社全体のビジネスやお金の動き、その動きに自分はどう関わっているのを俯瞰的に認識する『経営者目線』を常に持つ意識が大切です。サラリーマンの間は自分目線に偏って視野が狭くなりがちですが、起業後に求められる存在になるためにも、独立前から経営者目線を養っておくことは大切だと思います」
また、起業の成功は地道な積み重ねを継続した先にある、とも。
「今の環境を変えたいからと『逃げの起業』をする人がいますが、行き当たりばったりの起業は絶対に成功しません。やはりビジネスの世界は厳しいですから」
最後に今後の展開についてうかがった。
「現在のメイン事業であるWebマーケティング支援業は、経営的にも徐々に安定しつつあります。このまま、さらに取り組みを強化していきます。このメイン業務をベースにしながら、今後はずっとやりたいと考えていた自社サービスに取り組みたい。起業しようと思った原点でもある、ビジネス面からクリエイティブに切り込んでいくことや、クリエイターを応援するようなサービスを作っていきたいんです。受託業務で培ったノウハウも生かしながら大きなチャレンジをしていくつもりです」
担当者より
高祖様とは設立の時からお付き合いさせていただいております。
高祖様は同い年とは思えないほどしっかりされており、仕事の熱意にあふれた人です。事業も順調に3期目に入り規模も大きくなっており、今後の意思決定で悩まれることがないように全力でサポートさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。(宮本 義宏)