美容室を法人化　成 仁夫氏

責務とけじめのために法人化

枚方市で『太陽の美容室SUN』を経営する株式会社SUN-G（サング）の代表取締役・成 仁夫氏は、東京や神戸で美容師として働いていた。だが、現在の場所で母親が経営する美容室をサポートするために、三宮から枚方にやってきたのが4年前のこと。
「血圧の高い母親と共にお店を運営してゆく上で、けじめを付ける意味でも法人化することにしました。というのも私は未熟な人間ですから、どこかで甘えが出てしまうかもしれない。自分に甘えないよう、さらには自分を律するために法人化の道を選びました」

実はもうひとつ、法人化した理由があるという。
「事業をやるからには社会に貢献したいという想いがあります。最初は小さくてもいいから「世のため人のため」社会の役に立つ活動をやりたい。それも理由のひとつです」

だが、法人化を決意してもその方法が全くわからない。そこでインターネットで調べて見つけたのがFirstStepだった。
「価格がお安いのはもちろん、コミュニケーションを進めるほどに、そのコストパフォーマンスの高さに驚きました。あとはレスポンスの早さですね。法人設立の範疇を超えた経営や運営に関する質問にも素早くレスポンスを返してくれました。そんな対応に感激して実際にお会いしてお話を伺い、迷わずFirstStepさんにお願いすることに決めました」

良きパートナーとの出会いこそ、成功への第一歩！

法人化した自分の会社を経営しながら、美容師として現場にも立つ成氏。一人のスタッフとして髪を切っていた時に比べて、心境の変化などはあるのだろうか。
「お客様に喜んでいただけることは、最高の喜びであり楽しみです。でも、それは自分が経営する店舗じゃなくても得られるもの。そう考えると、自分の会社で自分が考えたサービスをパートナー企業やスタッフの皆さんのサポートを受けながら提供することでお客様に喜んで頂き、結果として利益に繋がる。この一連の流れこそが一番の喜びと言えるかもしれませんね」

経営者には2つのタイプがいる、と成氏は考えている。
「ひとつはがむしゃらに最短距離で最高の目標達成を目指す人。もうひとつは、まず想像して行動して失敗する、そのトライ＆エラーの中から一歩ずつ前に進んでいく。その中で起こるべくして起こる想定外の未来を受け入れる展開型スタイルで、私は後者だと思います。でも一人で想定外の展開を起こすのは難しい。そういった意味では、起業後もお付き合いがあるFirstStepの担当者の方が、常に面白いヒントをくれるんですよ」

これから起業しようとする人にアドバイスをお願いすると、「起業時は、すでにバイタリティもスゴイでしょうしね……」と言いつつ、次のように語ってくれた。
「私の座右の銘は『為せば、成る』ですが、実現には勢いだけじゃ無理。能力があっても、良きパートナーに巡り会わなければ、現実はとても厳しいということです。私がFirstStepさんと出会ったのは本当にラッキーで、出会えていなければ私の美容室は今頃無くなっているでしょうね。」

良いパートナーとの出会いは、巡り会いというよりも引き寄せるイメージ、と語る成氏。自分自身に強い信念があれば、パートナーは必ず現れるという。

訪問美容で地域や高齢化社会に貢献したい！

起業なんて良きパートナーがいれば楽勝だという成氏。問題は起業後だという。
「会社や店舗を経営するということは、自分の想像よりもさらに大変で厳しいことばかりでした。だから、サポートしてくれる人が必要です。当たり前の話ですが、髪を上手にカットできても経営の知識がないとお店は継続できないですからね」

さらに、会社を300年継続するという大きな夢を持っている。
「実質は260余年ですが、長きに渡って日本で継続した組織として江戸幕府があります。組織が300年近く機能できるという証明です。300年後も必要とされる組織をつくりたい。これこそ『為せば、成る』と思っています。夢のような話ですが（笑）」

もちろん3年後、5年後の目標はあるが、それを自身の口から語ることは少ないという。
「近い未来を考えるのなら、全身全霊で毎日を生きる方が自分には向いている。今の段階の自分には、まだ明日の一日を精一杯取り組む事が一番必要だと思っています」

現在、最も力を入れて取り組んでいるのが訪問美容だ。
「母は64歳ですが、高血圧ながらも現役の美容師なんです。今後、年齢を重ねた美容師の方々が美容に取り組みながら地域社会や高齢化社会に貢献できる環境を作っていきたい。そこで、地域の高齢者施設などの訪問美容を行うことを始めました。社会に貢献することは法人の使命だと思いますので、全力で取り組んでいます。大変難しいチャレンジではありますが、あきらめない限り終わりはありません。絶対成功させますよ（笑）」