ワインの通販で起業　佐藤 大輔氏

ネット通販こそ、最適なワイン販売方法と信じて

インターネットワインショップ『Donguriano Wine』の運営やワインイベントの企画・運営に携わる合同会社サトウワインリテイリングの代表・佐藤大輔氏。ワインとの出会いは、就職した百貨店で配属されたのがワイン売場だった。
「それからずっとワインとともに生きてきました。最初は単なる商品という見方でしたが、ワインの起源であるトルコでのワインに関わる仕事や多くのワイン生産者を訪問する中で、ワインづくりに必要とされる膨大な手間や時間を目の当たりにしました。そうするうちに、お客様にワインの作り手の気持ちを届けたい、本当の美味しさを伝えたい、もっとワインを楽しんでほしいと思うようになったんです」

そんな会社員時代、常に不安に思うことがあった、と佐藤氏は語る。
「ワインには揺れや温度変化、乾燥が大敵なんです。しかし、店頭販売では十分な温度管理ができない上、手にとって揺らすと熟成が早まってしまうこともあります。ワインには決して良い環境ではなく、真の美味しさをお届けできているか不安な気持ちがありました」

この想いがネットショップで起業することにつながった。
「ネットショップなら海外の蔵元からお客様のお手元まで、ほぼ温度変化なくワインをお届けできます。ネットショップはワインに最適な販売方法なんですよ」

ワインを美味しく楽しく飲んでもらいたい、ワインで人々を元気にしたいという想いを実現するため、佐藤氏はネットショップでの起業を決意した。

人に感謝し、やりたいことを貫く！

起業を決意した佐藤氏は、知人からFirstStepの存在を聞いた。
「まず会社の作り方がまったくわからなくて……。そこで知人に相談するとFirstStepの存在を教えてくれました。連絡して訪問すると、スタッフの皆さんの対応がとても良かった。この時の対応の素晴らしさ、雰囲気の良さが依頼への決め手になりました。また、契約前にもかかわらず多くのアドバイスをいただいたおかげで、事業イメージを具体的に固めることができました」

実際に起業してみて、会社員時代と何が変化したのだろうか。
「自分が本当に楽しいと思うことを存分にできる反面、できないこともたくさんある、それが起業だと思いました。ただ『できないこと』の壁をどう乗り越えていくかを考えるのがまた楽しいんです。これを楽しいと感じないと、起業は成功しないと思いますよ」

また、会社員時代以上にビジネスで大切にすべきものを実感した。
「周囲の人に感謝する気持ちですね。誰かのおかげで、自分が今ここにいられるという感謝の気持ち。それが一番大切だと思います。もちろんお客様に対しても同じ。手間を惜しまずに丁寧、親切に対応したい。気持ちはいつかつながると信じています」

ワインで日本を元気にしたい！

これから起業しようとする人にメッセージをお願いすると、真っ先に「人」に関するアドバイスをいただいた。
「人とのつながりを大切にしながら、自分がやりたい事を貫き続けること。そうすれば道は開けてきます。私の場合は、どうすればワインで人を元気づけられるか、楽しんでもらえるかを追求し続けることです。今の瞬間を頑張り続ければ、不思議なことにタイミングは自然と生まれてくるんですよ。アイディアだって求める人だって、来るべくして来るんです」

お客様と直接コミュニケーションが取れない分、自分の思いを少しでも届けようと直筆の手紙をしたためて商品とともにお届けすることを続けている。
「短い文章の手紙なんですが、少しでも感謝の気持ちを直接届けたくて。忙しくなってもずっと続けるつもりです」

最後に将来の目標をたずねた。
「ワインを飲む機会を増やし、ワインで日本を元気にしたいですね。お酒は余裕がある時に嗜好品として飲まれるイメージがありますが、ワインには癒しの力があります。人々を8000年も魅了し続けている飲み物ですからね（笑）。アロマテラピーのような感覚でワインの香りを楽しみ、味わいを楽しんでいただきたい。少しでもそのお手伝いができればと思います」