IT活用コンサルティングで起業　加藤 利彦氏

より多くの企業にIT活用を啓蒙するべく起業

ChatWorkやGoogleAppsの活用コンサルティング、『IT実践会』を通じたITとWebの活用に関するアドバイスなどを行うChatWork Academy株式会社。代表取締役の加藤利彦氏は、EC studio（現ChatWork株式会社）の創業に参画し、2008年には常務取締役に就任。そして、2011年にChatWork Academy株式会社の代表取締役に就任した。

この会社設立のきっかけは、加藤氏が近年感じていたひとつの疑問からだった。
「EC studioはWebのみでサービスを提供する会社だったんで、非常にITの理解度が高いお客様が多かった。しかし、日本の企業の大半はまだまだアナログで、自社に最適なITサービスが何なのか分からない企業がほとんど。“私たちはITを通して幸せを創り出します”という理念を実現するには『アナログなお客様こそお手伝いするべきお客様のはずや！』と考えたんです」

このギャップを埋め、ChatWork株式会社では届かないお客様にリーチするために生まれたのが、ChatWork Academy株式会社だと加藤氏は語る。
「ITを活用でけへんアナログな会社がお客様やのに、Webのみでのコミュニケーションを強いることはでけへんなぁ、と。そこでChatWork株式会社の関連会社として初めての電話対応をやろうと。もちろん、必要に応じて訪問もしますよ」

IT力とリアル力のバランス感覚が大切

IT活用を進めるコンサルタントという立場から、これから起業しようと考える人に伝えたいことをたずねた。
「これからは“IT力×リアル力”の時代。よっぽど優秀な技術じゃないと、IT力だけで生き残るのはムリ。特にこれから起業しようという人は、IT力とリアル力のバランス感覚を備えた人がビジネスを有利に進めていけるんちゃうかなぁ。それを自分も実感したから、起業当初からリアルなネットワークを広げ始めましたし、今もそのスタンスは変わってませんね」

必要なIT力を備えたFirstStepに会社設立の依頼をしたのは自然な流れだった、と加藤氏。
「リーズナブル、ハイクオリティ、ハイスピード。この3つが揃う会社をパートナーにしたらエエと思うんです。そういう視点から見ると、FirstStepって素晴らしいパートナーでしょ（笑）」

また、ITで対応できるところをIT化することで確保できた時間やコストは、リアルな対応や重要な意思決定のために活用するべきだという。
「代表取締役になると見えへんかったことが見えるようになりましたね。考え抜く距離が長くなったというか……。意見を出すために考えることと、結論や判断のために考えることは“考える距離”が全然違う。代表取締役になったことで人間的に成長できてるなぁって実感してますよ」

世界中の企業に広く貢献したい

これからのChatWork Academyは、まず『より多くの会社に貢献する』ことを志向する。
「まずは深さよりも広さを優先したい。もちろん理想は広く深くやけど、まだ試行錯誤の段階かなぁ、と。当社がお手伝いできるアナログな企業は数多くあるけど、その潜在ニーズを顕在化させるには、まずはより多くの企業をお手伝いする必要があるんやろうと感じてます」

もちろん現地スタッフを雇用しての海外進出も視野に入れている。そして、これらを実現するために社員100人以上を目指すという。
「これには明確な理由があって、社員5人程度の会社では社員が100人いてる企業のトップが持つ『想い』なんてわかるわけないってこと（笑）。これって当たり前ですよね。だから当社のターゲットとなるお客様に良いコンサルティングを提供するには、最低でも社員100名以上の会社にしないとアカンのです」

最後に加藤氏の夢を語っていただいた。
「ChatWork株式会社を中心としたグループ会社全体に貢献したいという想いは尽きへんと思います。あとは、若い人たちと普通にオモロい会話ができる、エエ感じのおじいちゃんになれたらええと思うてます（笑）」