準備期間3カ月でコワーキングスペースをオープン!
大阪・本町にあるコワーキングスペース『オオサカンスペース』を運営する株式会社EC studioスペースの代表取締役・大崎弘子氏。コワーキングスペース開設のきっかけは、2011年10月に札幌を訪れた際にオープン間近のコワーキングスペースを見学したことから。
「主催者の方とお話しているうちに、『自分がコワーキングを運営したら……』というイメージが明確に浮かんだのが、一番のきっかけです」
具体的にイメージできたのは、過去に二度ほど訪れたシリコンバレーのカフェで遭遇した風景に由来するという。
「コワーキングの原点だと思うのですが、シリコンバレーのカフェでは知らない人同士が普通に話しかけたり、議論するのが普通なんですよ。そんな風景と札幌での出来事がキレイにシンクロして、これは面白いかも、と」
札幌から戻った後、EC studio(当時)代表取締役の山本敏行氏がコワーキングスペースの開設を発表した。事業を新会社である株式会社 EC studio スペースが行い、大崎氏が代表に就任することとなった。
「そこからは怒濤の毎日でした。札幌を訪れたのが10月で、11月11日に会社登記して1月にオープンしましたから、準備期間は3カ月程度。今もこの期間の記憶がほとんどないんですよ(笑)」
ともに成長する協業関係こそが、世界に通用するサービスを生む!
会社設立をFirstStepに依頼したのは起業準備を初めてすぐのタイミングだった。
「現在の場所をご紹介してくださったのがFirstStepの小松社長だったんです。もちろん、以前から起業に関する知識が豊富で、個別の状況に合わせた起業のアドバイスをされているなぁと感じていました」
大崎氏が『オオサカンスペース』で目指すものを尋ねた。
「“世界に通用するサービスをここから生み出すこと”ですね。そのためには、受発注の関係をつなげるだけじゃダメなんです。一緒にチャレンジできるような協業関係を築ける仲間を見つけてもらえるような場所にしたいんです」
また、コワーキングスペースは、会社のメリットとフリーランスのメリットを足した新しい働き方のスタイルだという。
「会社に帰属することで得られるメリットも数多くあります。例えば、相談できる仲間や注意してくれる先輩といった人間関係やビジネスマナーの習得などです。本来であれば、起業する人はそういったメリットを捨てて起業するのですが、コワーキングスペースならそれを補完できます。たった一人で起業したフリーランスの人でも絆が深くて家族のような仲間ができるのが『オオサカンスペース』の良いところ。私が運営する施設ですが、気持ちは“みんなと共同で借りている”感覚ですね(笑)」
起業に失敗しても起業前の状態に戻るだけ。だから挑戦しよう!
コワーキングスペースを運営していることで、起業の相談を受けることも増えたという大崎氏。そんな時、必ずするアドバイスがあるそうだ。それは“いかに小さく始めるか”が大切ということ。
「まず自分ができる小さなコトで試してみて、可能性を感じればもう少し大きく試す、それを繰り返せば良いんです。例えばバーを開業したいなら、いきなりバーをオープンするのではなく、まず定休日のお店を一日だけ借りてやってみて可能性を探る、この考え方が大切だと思います。この形の起業であれば、起業に失敗しても、起業前の状態に戻るだけ。だから思い切ってチャレンジができる、と」
最後に大崎氏の将来の目標を2つ教えてくれた。
「ひとつは『オオサカンスペース』から世界に通用するプロダクトを生み出すこと。特に、ものづくりとITをつなげて面白いことを起こしたいという想いがあります。 もうひとつは、人と人をつなげる『コネクター』にスポットがあたる仕組みを作ること。そのためにも“最適な人のつなげ方”を体系化した『つながる技術』ならぬ『つなげる技術』に関する本を執筆してみたいですね」
担当者より
大崎社長はいつも元気で明るくパワフルで、面白いことを求めて様々なことに積極的にチャレンジしておられます。
オオサカンスペースでは、イベントが開催されるたびたくさんの方がとても楽しそうに参加されており、組織に所属していないフリーランサーでもメンバーの方同士の絆が深く、協力しあっている場面をよく拝見します。
そして社長は人を惹きつける魅力があり、周りにはたくさんの人であふれています。この空間は大崎社長にしかできない社長のお人柄というブランド力だと感じております。
常に面白いことを求めていらっしゃる大崎さんのもと、今後の目標にされているオオサカンスペースから、世界に通用するプロダクトが生まれる日は近いのではないでしょうか。(中桐 由喜)