ECショップ運営で起業

想いを大切にして起業！

財布や鞄などの革製品を中心に、ファッション小物雑貨をインターネット上で販売する株式会社FLAG。代表取締役の麻植（おえ）隆好氏は、いくつかの仕事を経験した後、あるネットショップを運営する会社の責任者兼営業として、初めてECショップの世界に飛び込んだ。
「私自身、入社当時は全くの未経験。ECショップの裏側なんて見たことありませんでした。それこそ現場で一から学びながら、少しずつ知識を身につけていく感じで。仕入れ先の皆さんやスタッフに助けられながらやっていた感じですね」

学生や新卒社会人の頃から独立起業の夢を持っていたが、ネットショップ運営に携わる中で、仕入れ先の人脈拡大やショップ運営ノウハウを蓄積するにしたがい、それまで心の奥底に眠っていた想いが蘇った。
「自分が携わるようになってからショップの売上が結構アップしていたので、『これは自分で立ち上げても何とかなるんじゃないか』という想いが心の中で膨らんでたんです。そうなるともう止まらなくて……計画性も資金もあまりない中、本当に想い先行という形で起業することを決意しました」

人脈が会社を助けてくれた

半ば勢いで起業したと語る麻植氏を助けたのは、周囲の卸業者の人々や現在のスタッフだった。FirstStepとの出会いも、周囲の人々からの紹介だった。
「起業直後に運転資金を金融機関から借りようと考えていたところ、革小物の卸をしている業者さんからFirstStepの親会社である中央会計さんを紹介してもらいました。結果的に借り入れはしなかったのですが、それがFirstStepさんとのご縁になりました。1年半ほど個人事業で運営し、軌道に乗ったので法人化するときにお願いしました。法人化したのは、自分が雇われて働く立場だったら、絶対に法人の方が安心できと思ったからですね（笑）」

法人化したことで、自身の中に『会社として社会に貢献する』という意識がより大きくなったという麻植氏。今の自分があるのは人脈と人付き合いのおかげだと語る。
「同業者はもちろん、スタッフや友人、知人。すべての人脈が私の財産であり、今の自分があるのは人脈のおかげです。自分に課しているのは『誘いは断らない』ことだけ。知らない人、仕事に関係ない人がいてもお誘いいただいたら参加します。そこでコミュニケーションする中から、何かが生まれたり発見できるかもしれない。つながることが大切なんだと思います」

そうしてつながった人に助けられたことは数知れない、と語る麻植氏。これからは、さらに人とのつながりを生かしながら、助ける側にまわる回数を増やしたいという。

自社ブランドの実店舗オープンを目指す！

ECショップは開設の負担が少なくなり、誰でも簡単に今すぐ始められる環境が整いつつある。そんな中、現在進行形でビジネスを進めている側から見て、今からECショップで起業するのは『おすすめ』なのだろうか。
「ECショップで起業したい人はぜひ（笑）。ただ、簡単に始められる分、どんどん淘汰されていきますし、本当にECだけで長く続けるのは、普通の起業よりも難しいかもしれません。私も人とのお付き合いの中でFLAGという会社を成長させてもらっているだけで、決して私自身の力じゃないですから」

今後の目標は、自社ブランドの立ち上げと実店舗を持つこと。
「目標というよりも、まだ夢に近いかも……。メイド・イン・ジャパンの革小物製品を自社ブランドで作りたいですね。そして、それをネット上のみならず、実店舗でも販売したい。実際に手にとってもらい、その良さを実感していただけるような場所を作りたいんですよ。そうですね、あと3年ぐらいの間に実現するつもりで頑張ります」