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最初に執行役員の制度は97年6月にソニーが導入し、2002年の商法改正で「執行役員」を制度化され、2003年の4月より施行されました。
執行役員の制度は多くなりすぎた取締役の数を減らし、取締役会の本来の機能や業務であるである会社の業務執行に関する意思決定のスピードを速めることを目的として導入されたものです。
執行役員とは、特定の事業部門などの長として実際の業務執行に対する責任と権限を持つ幹部社員のことです。
「役員」と言っても、商法上の取締役とは違い、あくまでも社内的な肩書きとされています。特にこの制度は主に、コーポレートガバナンスの観点から導入されました、というのも、低成長の時代に入り企業間の競争が激しくなると、経営に対するチェックが甘く、経営を任されていた一部の役員による不正行為が次々と発覚した事があり、「取締役会の本来の機能を取り戻すべきだ」と言う声が高まった。そこで従来の取締役から「経営に専念する人(取締役)」と「業務の執行に専念する人(執行役員)」を分離してそれぞれの役割分担を明確にする執行役員制度が導入されるようになりました。
また、税法上の執行役員は、商法上、雇用契約であれ、委任契約であれ、商法上の使用人または重要な使用人の地位に立つと解されていることから、法人税法上の法定役員には該当しません。
そこで、重要となるのは「みなし役員」かどうかということになります。「みなし役員」とは、
(1)法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事しているもの、
(2)同族会社の使用人のうち、一定の持株割合を有する株主等
でその法人の経営に従事している者をいいます。「経営に従事している」とは、長期・短期の経営計画や資金調達、使用人の採用や退職の決定、役員の昇格等、経営の枢機に参画することを意味するが、執行役員制度を採用する企業の経営上の業務執行の意思決定機能は取締役会に属するから、執行役員は、代表取締役の指揮の下で会社の業務執行を分担して行う責任者としての地位にすぎず、法人税法上の「経営に従事している者」には該当します。
しかし、非上場企業で、当該執行役員が事実上、取締役会に参画して経営に従事していると認定される場合には、法人税法上の「みなし役員」に該当することになると解されるし、また、同族会社の一定の持株割合を有している執行役員が「経営に従事している者」に該当する場合には、(2)の「みなし役員」に該当することになります。
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