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中期計画の策定手順としては、以下の通りです。
(1) 外部環境と内部環境の分析
外部環境と内部環境を分析するには、SWOT分析を用いるのが一般的です。
SWOT分析とは、外部環境分析から市場の機会(Opportunity)、脅威(Threat)を、自社分析から自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)を整理し、それぞれのファクターの組合せで自社の採るべき戦略や施策の検討材料を明らかにするための手法です。
(2) 経営理念・経営ビジョンを明確にする
戦略は企業の意思決定の指針と重要なものですが、企業には経営戦略以外にも指針となるものがあります。それが、経営理念です。
経営理念は、企業経営を行っていく上での活動のよりどころ、指針を与えるものです。また、経営理念は戦略策定の際の前提となるもので、戦略の上位概念として位置づけられます。
(3)中期経営方針の設定
経営の5機能(最高経営機能、マーケティング機能、生産力・仕入機能、財務・情報機能、組織能力開発機能)に基づき、自社に必要と思われる項目について中期経営方針を決めます。
(4)中期経営目標の設定
経営目標は、「業績目標」、「事業目標」、「組織構造目標」、「企業規模・設備投資目標」、「株式公開」等の目標で構成されます。
現状のまま何もしなかった時の3〜5年後の予測と、経営ビジョンを踏まえた達成したい中期経営目標とを比較し、戦略を検討していきます。
(5)経営戦略の策定
企業戦略とは、経営理念・経営基本方針を実現するために何をすべきかという視点で物事を考えていきます。この際、現状とのギャップがどのくらいかを認識していく必要があります。そのギャップを解消するための基本方針を、事業戦略、販売戦略、生産戦略、人事戦略、財務戦略、情報戦略、新製品開発戦略などとして整理していきます。
特に重要なのは、どこに何を販売していくかを明確に方向付けることです。現在の商品と市場のマトリクスを作成して、このまま推移した場合どのような姿になるかを数値に落とし込んで、経営目標との乖離をどのような商品をどの市場に販売していくかを決めることです。
(6)経営計画の策定
それらの戦略を推進していくための「キーファクター」を探し出し、これらを中心として、取り組むべき経営計画を策定していきます。
経営計画では「利益計画」だけではなく、「計画貸借対照表」「キャッシュロー計画」なども合わせて計画することが必要です。
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