|
中期計画貸借対照表の作成方法は、資産、負債、純資産の科目毎に翌年度において変動する要因を予測し、これを今年度末の貸借対照表に加減して翌年度の残高を計算するというものです。翌年度において変動する要因をつかみきれないものについては、現状の売上高回転率をもとに翌年度末の残高を予測します。
(1)運転資本計画
まず、売掛金、受取手形、棚卸資産、買掛金、支払手形などの営業上の資産、負債については、今年度の回転率をもとに改善計画を盛り込んで時期の回転率計画を策定し、翌年度の計画売上高等から翌年度末の残高を予測します。
(2)設備資本計画
設備資本計画は、翌年度の設備投資計画と翌年度の減価償却予定額から計画します。設備投資計画および減価償却については、固定資産の種類別に予測します。調達資本については、自己資本か他人資本か、他人資本の場合は支払手形か借入金か、あるいはリースかを決めます。なお、他人資本を利用する場合は、借入金返済計画や手形決済計画等の計画も必要です。
(3)その他項目
@ 納税充当金
翌年度の税引前利益額から未払法人税等を予測して計画する。
A 借入金等
長期借入金は、約定の返済条件に従って翌年度の返済額を計画します。短期借入金は、返済がはっきりしているものはその金額を、借り替えしているものについては、ひとまずそのまま継続するものとします。
割引手形は、今期の金額をそのまま記入するか、あるいは翌年度末の受取手形残高から今年度の手形割引額を参考に翌年度の割引額を予測します。借入金の返済計画は重要なので別途計画表を作成します。
B 現金預金
定期預金および積立預金の積立額や満期取崩しが決まっているものについては、それによって計算した金額を今年度貸借対照表に増減して翌年度末残高を計画します。現金・当座預金は適正手持ち残高がわかればそれを、わからない場合には今年度の回転率を基に予測します。
C その他の資産、負債計画
その他の流動資産、流動負債等については変動要因が解っていればそれに基づいて、解らない場合には売上回転率等を参考に予測します。
D 純資産計画
純資産勘定のうち、資本金は変動がなければ今年度の金額と同額。利益剰余金の各勘定残高も、原則として今年度末の残高をそのまま引き継ぐものとします。
E 貸借差額の調整 以上の結果作成された仮の計画貸借対照表を確認すると、貸借のいずれかに差額が発生します。その差額は、それぞれの科目が正しかったとした場合の、資金の余剰あるいは不足を表しています。貸借差額は、現金預金で調整し、計画貸借対照表を完成させます。
|
|
|