1.給与所得控除の見直し
給与所得控除に上限設定を設け、その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除については、245万円が上限になります。
2.役員給与等に係る給与所得控除の見直し
役員給与等については、年収2,000万円を超えると控除額が段階的に減る仕組みを導入し、年収4,000万円超の場合は、給与所得控除が125万円まで減ることとなります。
3.法人税率の引き下げ(H23年4月1日以後開始事業年度から適用)
法人税の税率が30%から25.5%に引き下げられました。
さらに中小法人の軽減税率につき、特例による税率を18%から15%に引き下げた上、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度について適用するとともに、本則税率が22%から19%に引き下げられました。
※法人・個人をあわせてキャッシュを残す最適な役員報酬の設定が必要となります。
4.雇用促進税制(H23年4月1日以後開始事業年度)
雇用保険の被保険者となる従業員が10%以上かつ、5名以上(中小企業は2名以上)増加していれば、増加した従業員の数に20万円を乗じた金額を税額控除できる措置を講じます。ただし、法人税額の10%(中小企業は20%)を限度とします。
5.欠損金の繰越控除制度の見直し(H23年4月1日以後開始事業年度)
欠損金の繰越控除がその繰越控除前の所得金額の80%に制限(中小法人は除く)されました。また、欠損金の利用期間が7年から9年に変更されました。
6.相続税の課税ベースの見直し(H23年4月1日〜相続開始分から適用)
- 相続税の基礎控除
定額控除が「5,000万円」から「3,000万円」に、法定相続人比例控除が「1,000万円×法定相続人数」から「600万円×法定相続人数」に見直されました。
- 死亡保険金に係る非課税対象者の絞り込み
「500万円×法定相続人」から、「500万円×法定相続人(未成年者、障害者、生計一の相続人に限る)」に見直されました。
- 最高税率の引き上げ
最高税率を現行の50%から55%に引き上げられました。
7.贈与税率の変更(H23年1月1日〜の贈与分から適用)
20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合」と、「それ以外」で税率が規定されました。
たとえば、20歳以上の子、孫の場合、課税価格が1,000万円だと税率が40%から30%に引きさげられます。
8.相続時精算課税制度の対象者拡大(H23年1月1日〜の贈与分から適用)
受贈者の範囲に、子だけでなく20歳以上の孫を追加、さらに、贈与者の年齢要件を「65歳以上」から「60歳以上」に引き下げました。
9.退職金優遇課税の見直し
役員で勤続5年以下の者に限り、退職所得控除後の2分の1課税が廃止になりました。
※衆参両院で可決されて初めて成立されます。
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